石原センセイのきっちりおさえるニュースのツボ
12月19日

2019年のヒット商品番付

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イシハラ

こんにちは、ニッキィさん。「令和元年」はどんな年でしたか?

ニッキィ

こんにちは。ラグビーのワールドカップ(W杯)に夢中になりました。「にわかファン」です。

イシハラ

ラグビーは盛り上がりましたね。日本経済新聞社が12月初めに発表した毎年恒例の「日経MJヒット商品番付」でも、東の横綱が「ラグビーW杯」でしたよ。

ニッキィ

ヒット商品番付というのがあるのですね。おもしろそう。

恒例のヒット商品番付、東の横綱はラグビーW杯

イシハラ

日経MJは日本経済新聞社が発行しているマーケティング専門紙で、消費関連のニュースが盛りだくさんです。ヒット商品番付は日経の記者がその年の売れ行き動向や観客数、利用者数などを基に、大きな消費を生み出した商品やサービスを大相撲の番付形式で年に2回発表しているヒット企画です。

ニッキィ

ラグビーW杯はまさに横綱にふさわしい! 私もグッズの売り上げに貢献しましたよ。

イシハラ

組織委員会の発表では、観客動員数は延べ170万4,443人、1試合の平均観客数は37,877人でした。チケットは販売可能な席のうち約99.3%が売れたそうです。

ニッキィ

期間中、観戦に来た外国人の姿を多く見かけました。

イシハラ

私は地方の予選リーグの開催地に住んでいます。大会期間中は国内外からファンが大勢訪れ、街の様子がいつもと全く違う賑わいで、よその地にいるかのようでした。

ニッキィ

普段見かけるアジアからの訪日外国人とは違った国の人たちが多かったですね。

イシハラ

日本政府観光局によると、10月は出場国からの訪日客数が前年同月に比べて24.3%増えました。また、9月から10月に全国のプリンスホテルに宿泊したオセアニアからのお客さんは、前年同期比2倍だったそうです。

ニッキィ

この流れが東京2020オリンピック・パラリンピックにつながると良いですね。

キャッシュレスでポイント還元、コンビニに追い風

イシハラ

そうですね。そして訪日外国人の利便性を高める「キャッシュレス」が西の横綱。消費税引き上げに伴うポイント還元事業が功を奏しました。

ニッキィ

私もいろいろ試そうと思って、QR決済をいくつか始めてみました。クレジットカードと使い分けて、最近ではお財布の現金をまったく使わない日もあるほどです。

イシハラ

消費税率引き上げが消費に悪影響を及ぼさないよう、政府のポイント還元事業は20年6月末までの限定で行われています。対象になる中小・小規模事業の登録加盟店は12月中旬に90万店に達した模様です。

ニッキィ

店頭にポイント還元のステッカーが貼られたお店を多く見るようになりました。コンビニエンスストアでもキャッシュレスでポイント還元していますよね。

イシハラ

はい。コンビニ大手各社は10月から、一部の店舗を除いてキャッシュレス決済で2%分のポイントを即時還元しています。そのおかげでキャッシュレス決済比率は上昇し、セブン―イレブン・ジャパンの10月時点のキャッシュレス決済比率は約42%。増税前より7ポイント高まりました。ファミリーマートは25%、ローソンは26%でどちらもポイント還元実施前は20%前後だったそうです。

ニッキィ

ポイントの即時還元って、要はその場での値引きでしょ。お得ですよね。

イシハラ

コンビニ業界のポイント還元事業は当たりだったようで、売上高を押し上げました。3社とも10月の既存店売上高は2カ月ぶりの増収。セブンは前年同月比3.4%増、ファミマは0.9%増、ローソンは0.3%増でした。

改元やSNSが消費を盛り上げた

ニッキィ

東西の横綱はどちらも納得ですね。では大関はどんな商品ですか?

イシハラ

東が「令和」、西が「タピオカ」です。

ニッキィ

これもうなずけます。どちらも大ブームになりましたね。

イシハラ

改元に伴って今年はGWが10連休になったため、期間中の国内と海外を合わせた旅行者数は2,467万人(前年比1.2%増)、総旅行消費額は1兆610億円(同3.7%増)と、いずれも過去最高になるとJTBは予測していました。

ニッキィ

そういえば、連休明けに「令和最初のお土産」なんて言われて、会社の机がお菓子でいっぱいになりました。平成グッズや令和グッズもたくさん出ていましたね。

イシハラ

はい。専門家は平成の改元の時には無かったネットの力が大きいと分析しています。さまざまな令和グッズが有名になり、それに触発されて関連商品が企画されるという連鎖が起こったと見ています。

ニッキィ

確かに。面白い商品を見つけるとSNSに上げて、あっという間に広がって、というかんじでしたね。「さよなら平成」とか「令和初の」といったイベントも盛り上がりましたね。

イシハラ

その高揚が特別感をもたらし、ラグビーW杯や東京2020オリンピック・パラリンピックのチケット販売増につながったのではないかというのが専門家の見立てです。SNSなどネットの力は今のヒットに欠かせませんね。

ニッキィ

そう思います。大関の「タピオカ」もSNSでアップされているのをずいぶん見ました。

イシハラ

SNSによる情報拡散でヒットしたものとしては、大創産業の100円ショップ「ダイソー」のコスメ「UR GLAM(ユーアーグラム)」、ロート製薬の女性向け加齢臭対策商品「デオコ」、ゼブラの筆記時の振動を抑えてストレスを軽減するボールペン「ブレン」も番付に上がりました。

ニッキィ

ダイソーの「UR GLAM」は、私も「待ってました!」という感じです。100円ショップとは思えないクオリティーとデザイン、そしてたくさんの種類。爆発的に売れていますよ。

イシハラ

へえ、そうなんですね。100円で本格的なコスメが買えるなんて、とくに若い人には嬉しいですよね。ターゲットは若い女性、コンセプトは"セクシー&ヘルシーメイクアップ"だそうです。

ニッキィ

「デオコ」のボディーソープ、制汗剤などを使う男性、「デオコおじさん」のSNSでの拡散も半端なかったですよ。やっぱり匂いは気になります。「スメハラ(スメルハラスメント)」も話題になりましたからね。

イシハラ

「デオコ」のターゲット層は大人の女性。年齢を重ねるごとに気になる「加齢臭」対策製品として発売されましたが、この製品を使った男性のブログがきっかけで爆発的に売れました。

ニッキィ

ゼブラの「ブレン」は、私も売り上げに貢献しています。書き心地がバツグンのボールペンです。デザインも気に入っていますよ。

イシハラ

ブレンの魅力を発信するアンバサダーを募集し、その口コミが他の人の購入のきっかけとなるような仕掛けもヒットにつながったようです。毎日使う文房具は、ストレスなく使えることを重視する人が多いようです。製造元のゼブラによれば、高いデザイン性もSNS映えを意識した消費者から支持されているとのこと。

ニッキィ

イシハラさん、ヒット商品番付って面白いですね。今年もいろいろな出来事があったことを思い起こさせてくれます。来年はどうなるでしょう。

2020年はどうなる?

イシハラ

私が心配しているのはポイント還元の「その後」です。消費税引き上げに伴う政府のポイント還元事業は20年6月まで。これが終わると消費が落ち込んで企業業績は悪化し、問題を先送りしていただけということになりそうで。

ニッキィ

それを見越して、マイナンバーカード利用のキャッシュレス決済でポイント還元をする案が出ていますね。

イシハラ

はい。25%のポイント還元を20年9月から実施する方向で動いているようです。ただ、これはマイナンバーカードの普及を促進する政府の思惑が見え隠れしているようにも思えます。

ニッキィ

夏には東京2020オリンピック・パラリンピックもありますよね?

イシハラ

そうですね。ラグビーW杯の時のような盛り上がりが、もう一度来ることを期待しましょう。

今月の金言 難易度2 ★★☆☆☆

東の横綱はラグビーW杯、西の横綱はキャッシュレス

改元や「映える」商品がSNS発でヒットを生んだ

ポイント還元の期限切れVS東京2020オリンピック・パラリンピック、景気の先行きは?

ファイナンシャル・プランニング・コーチ
石原敬子さん

大学卒業後、証券会社に入社。営業12年余の経験から、資産運用アドバイスを専門とするCFP&コーチ。コーチングを取り入れお金と行動の両面からコンサルティングを行う。