石原センセイのきっちりおさえるニュースのツボ
1月16日

少額投資非課税制度(NISA)と確定拠出年金の拡充(DC)

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ニッキィ

イシハラさん、こんにちは。今年もよろしくお願い致します。

イシハラ

こんにちは。ニッキィさんは今年どんな目標を立てましたか?

ニッキィ

今年からお金をためます。老後の生活費も気になるので、運用を始めたいと思います。

イシハラ

公的年金だけでは老後の生活費が2000万円不足するという金融庁の報告書が昨年話題になりました。具体的な数字が出され、資産形成に関心を持つ人が増えたんじゃないですかね。

ニッキィ

今回は「ニーサ」の話を聞かせてください。以前イシハラさんから教わって興味を持ったのですが、それから何年も経ってしまって・・・・・・。

イシハラ

そうですか、ニッキィさん。では今回は少額投資非課税制度(NISA)の最新状況も含めて資産形成の話をしましょう。

ニッキィ

先日、その制度が変わるって聞きました。よろしくお願いします。

NISAを利用できるのは、上場株式と公募株式投信

ニッキィ

NISAって、税金がかからないからお得なんですよね?

イシハラ

単刀直入にいうとその通りです。一定額以内の投資によって得た利益が非課税になる口座です。

ニッキィ

アバウトすぎましたか。ではもっと詳しく教えて下さい。

イシハラ

通常、個人が受け取る金融商品の利息や資産運用の利益は、復興所得税を含めて20.315%が課税されます。NISAが利用できるのは上場株式等と公募株式投資信託。上場株式等には、上場投資信託(ETF)や上場している不動産投資信託(REIT)などが含まれます。

ニッキィ

最初はNISAっていう金融商品があるのかと思っていましたがそうじゃないんですね。

イシハラ

はい。株式や投資信託を買う時に課税される口座かNISAの口座かを選ぶのですが、NISAを利用したほうが非課税になる分、手元に利益が残るので有利になります。

ニッキィ

株や投資信託はリスクがありますよね?

イシハラ

株価や基準価額が変動するので、投資元本を割ることもあります。値動きは主に経済環境や個別企業の業績の影響を受けます。今使わないお金を、経済成長のために使うのが投資。リスクを負ってその投資に参加してくれる人には、利益が出た時に優遇しましょうというわけです。

ニッキィ

なるほど。NISAはリスクを受け入れられる人が利用できる特典みたいなものですね。

イシハラ

貯蓄に偏っている日本の家計の金融資産を投資に促す、という意図もあります。国債などの債券投資や債券だけで運用する投資信託ではNISAを利用できませんけど。

NISAは投資金額に上限がある

イシハラ

もう少し詳しい話をすると、投資に関する利益は2種類あります。具体的には、換金した場合の「値上がり益」と、保有したまま定期的に受け取る「株主配当金」「収益分配金」です。NISA口座で買えばどちらの利益も非課税です。ただし、上場株式等の株主配当金については、「株式数比例配分方式」という受け取り方を選択しなければ非課税になりません。

ニッキィ

さっき、「一定額以内の投資」って言っていましたよね。いくらまでですか?

イシハラ

一般型のNISA(以下、一般NISA)は年間120万円の元本が上限で、5年間非課税になります。ほかに「つみたてNISA」という積み立て投資専用のNISAがあります。こちらは積み立てや分散投資に適した投資信託に限定されていて年40万円の元本まで、20年間非課税で積み立てができます。どちらも日本に住む成人が利用できます。

ニッキィ

「限定」という言葉に弱い私......。一般NISAよりお得ですか?

長期で積み立てするなら「つみたてNISA」

イシハラ

制度の特性が異なるので単純には比較できません。一般NISAや課税口座でも利用できる通常の投信のうち、金融庁が定めた基準をクリアした投信がつみたてNISAの対象です。販売手数料が無料で信託報酬が一定水準以下というコストの低さ、収益分配金が毎月でないこと、運用期間が無期限か20年以上など、長期的な運用に向く基準が定められています。

ニッキィ

投資できるのが年間40万円までとなると、毎月3万円ちょっとですね。積み立てだとそのぐらいがちょうどいいかも。ボーナスの時は一般NISAで、普段はつみたてNISAがいいかしら?

イシハラ

NISAは複数の金融機関で利用できません。それは一般NISAとつみたてNISAの間でも同様で、同じ年に両方の口座は持てないし、同じ金融機関内でも同一年には併用できません。

ニッキィ

そうなんですか。残念ですね。

2024年からNISAが変わる

イシハラ

そんなニッキィさんに朗報です。今度の通常国会でNISAを2階建てにする案が審議されます。税制改正の内容に、2024年からの施行でNISAの改正案が盛り込まれました。一般NISAの枠の中で、積み立ての枠と通常の投資の枠ができるのです。

ニッキィ

積み立て投資をしながら、機を見て投資もできて、どちらも非課税なのですね?

イシハラ

はい。1階部分はリスクの低い投信などを対象にした積み立てで、2階部分は上場株式等に投資ができます。原則として、1階部分を利用する人が2階部分を利用可能です。例外として、NISA口座の経験者は1階部分の利用がなくても2階部分を利用できます。

ニッキィ

投資金額には上限があるんですよね?

イシハラ

1階部分が年20万円まで、2階部分が年102万円まで、同一年の合計が122万円になる予定です。5年間フルに利用すると、元本の上限は610万円となります。

ニッキィ

まさに私が考えていた併用方式ですね。年20万円ということは、月々1.6万円ちょっと。毎月の給料から積み立てるのに無理のない範囲ですね。

一般NISAとつみたてNISAの期限が延長

イシハラ

それからもう1つ。以前からNISAを利用している人には切実だったことが、今回の改正で一歩前進しました。期限の問題です。

ニッキィ

一般NISAは5年で、つみたてNISAは20年? 気になる「期間限定」(笑)。

イシハラ

いいえ。ややこしいのですが、それは非課税対象の期限。そのことではなく、NISAの制度自体の期限です。実は、NISAは期間限定の制度でいずれ終わってしまいます。NISAが始まったのは14年で、23年末までの期間限定の特例制度となっています。続いて始まったつみたてNISAは37年まで。これらをそれぞれ5年延長して、一般NISAは28年末まで、つみたてNISAは42年までに改正される予定です。

ニッキィ

5年延長したというだけで、やっぱり期間限定なのですね。

イシハラ

金融業界では毎年、恒久化の要望を出していますがなかなか通りません。5年延長でも、決まれば一安心。ただ、未成年者対象のジュニアNISAは予定通り23年末で終了です。

確定拠出年金の掛金拠出も期間延長

イシハラ

NISAと並ぶ老後の生活資金準備として、確定拠出年金(DC)も重要な役割です。今回の税制改正では、DCの掛金を拠出する期間の延長も盛り込まれました。

ニッキィ

DCは私も会社でやっています。企業型っていうんでしたっけ? 

イシハラ

企業型DCが導入されているのですね。現在、DCの掛金は原則60歳まで拠出できます。今回の改正では企業型は70歳まで、個人型は65歳まで拠出できるようになります。

ニッキィ

会社が払うので意識していなかったけど、掛金の期限って重要ですか?

イシハラ

拠出する期間が延びれば、その分掛金を長く払い込めるのですから、老後の生活資金が増えます。企業が拠出してくれる企業型ならなおさらです。個人型でも、掛金の分その年の所得税が節税できます。個人事業主などで長く働くなら、掛金の期限延長はうれしいのではないでしょうか。

ニッキィ

そうですね。運用益の非課税も長く続くので、複利効果も大きいですね。多くの会社で定年延長になるのですから、それに合わせた動きともいえますね。

イシハラ

その通りです。働く期間が長くなる分、掛金の拠出も延長するのは自然なことでしょう。老後資金2000万円不足問題は、このような改正の後押しになったのかもしれません。

ニッキィ

国からの「老後の生活費は公的年金だけを頼らないでね」というメッセージみたい。人生100年時代。マメに情報収集してお金をしっかり増やそうと思います。ありがとうございました。

今月の金言 難易度2 ★★☆☆☆

NISAはリスクを受け入れられる人が利用できる特典のようなもの

NISAは積み立てと投資が併用できる2階建てに改正予定

NISAは制度の延長、DCは掛金払い込み期間の延長、超高齢社会に向けた税制改正

ファイナンシャル・プランニング・コーチ
石原敬子さん

大学卒業後、証券会社に入社。営業12年余の経験から、資産運用アドバイスを専門とするCFP&コーチ。コーチングを取り入れお金と行動の両面からコンサルティングを行う。