ニッキィ女性のからだ相談室
8月10日

子宮筋腫/子宮内膜症/子宮がん

「子宮筋腫があると診断されたけれど、 どうしたらよいかわかりません…。 おりものが多いような気もしますが、どのくらいが適量なのでしょうか?」
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質問 「子宮筋腫があると診断されたけれど、 どうしたらよいかわかりません…。 おりものが多いような気もしますが、どのくらいが適量なのでしょうか?」

「子宮筋腫」があると診断されたのであれば、再検査や治療を受けましょう。検診でせっかく異常が見つかったのに放っておいては、もったいないです。子宮筋腫は良性の腫瘍ですし、30歳以上では5人に1人がなるとも言われ、年間10万人以上が罹患しています※。怖がらずに、早めに婦人科へ行きましょう。

 子宮筋腫は、筋腫と呼ばれるこぶができる病気で、こぶが子宮の外側にできる「漿膜下(しょうまくか)筋腫」、子宮の内側にできる「粘膜下(ねんまくか)筋腫」、子宮の筋肉内部にできる「筋層内(きんそうない)筋腫」など、こぶができる場所によって呼び名が変わります。
 おなかの空間は案外広く、周辺の臓器も固定されていないため20cm以上の筋腫ができていても気が付かないケースがあるほど。相談者のニッキィさんのように、検診で見つかることも少なくありません。
 自覚症状として最も一般的なのは、月経時の出血量が多い「過多月経」です。出血量が150ml以上の月経が「過多月経」の目安とされています。レバーのような血の塊が出ることもひとつの特徴です。

 質問にあった「おりもの」の適量について。これは、とくに基準がなく人それぞれです。「過多月経」とは異なり、おりものの量が多くても重篤な病気や生死に直結することは少ないため、心配し過ぎなくてもいいでしょう。
 ただし、量だけでなく、においやかゆみなどの異常が1週間以上続くようであれば、感染症を疑って菌の検査を受けてみてください。また、おりものに血が混ざることなどがあった場合は「不正出血」の疑いがあります。それは「子宮がん(子宮体がん)」や「子宮頸管ポリープ」など異変が起こっているサインかもしれません。見逃さず早めに婦人科で相談しましょう。

 子宮の病気で最も気をつけたいのは「子宮がん」です。年間6万人以上が罹患しています※。腫瘍ができる場所によって「子宮頸(けい)がん」と「子宮体がん/子宮内膜がん」に分けられています。「子宮頸がん」は、初期に自覚症状が少なく異変を自分ではキャッチしづらいですが、子宮頸部が腟に近く発見しやすいため、年に1度の検診を欠かさないことで早期発見が可能です。
 「子宮体がん」は、子宮体部に発生するがんで近年増加傾向にあります。にもかかわらず、「子宮がん検診」=「子宮頸がん検診」であることがほとんどで、「子宮体がん検診」は一般的ではありません。だからこそ、前述のように「不正出血」などの体からのサインをしっかりキャッチして、異変を感じたら婦人科を受診することが肝心です。

 子宮の病気として、もうひとつ身近なものに「子宮内膜症」があります。子宮内膜症という名前のため誤解されやすいのですが、この病気は子宮内膜で起こる病気ではなく、子宮内膜が本来あるべき子宮の内部以外の場所に存在してしまう病気です。意外なところでは、気管や臍(へそ)などに子宮内膜症が発生することもあります。卵巣に発生すると「チョコレート嚢胞」と呼ばれる卵巣囊腫の一種となります。
 子宮内膜症の主な自覚症状は、激しい生理痛です。生理を重ねる度に痛みが増すようであれば一度、超音波検査を受けてみましょう。

 子宮内膜症は、子宮から卵巣に向かって起こる「逆流血」という現象が関係していることが原因のひとつとして報告されていますが、そもそもこの逆流血がなぜ起こるのかも諸説あり、メカニズムは解明されていません。私達の体にはまだまだ解明されていない部分があることも、忘れてはいけない事実です。

結論 疑いが見つかったのなら、早めに再検査と治療を受けてください。 1年に1度の検診を欠かさないことはもちろん、 おりものに血が混じる、過多月経、生理のたびに痛みが増すといった 子宮からの異変サインを見逃さないようにしましょう。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。