ニッキィ女性のからだ相談室
9月14日

卵巣のう腫/卵巣がん

「お腹のまわりがぽっこりしやすくなりました。 もしかして卵巣が腫れているのかも!? それともホルモンバランスの乱れでしょうか?」
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質問 「お腹のまわりがぽっこりしやすくなりました。 もしかして卵巣が腫れているのかも!? それともホルモンバランスの乱れでしょうか?」

 卵巣が腫れている可能性もあるかもしれません。正常な卵巣は直径約2~3cmですが、20cm以上に腫れることもあります。腫れが大きくなると周辺の臓器を圧迫するため、慢性的な膨満感や腰痛のほか、膀胱が圧迫されると頻尿になったり、直腸を圧迫すると便秘になったりします。そのような症状はありませんか? もし思い当たるようであれば、婦人科で診てもらいましょう。

 卵巣の異常のほとんどが、卵巣の中に液体などがたまって腫れる「卵巣囊腫(のうしゅ)」です。主なタイプとして、水のような液体がたまる「漿液性嚢胞(しょうえきせいのうほう)」、粘度の高い液体がたまる「粘液性嚢胞/偽ムチン嚢胞」、脂肪分とともに髪の毛や歯などが形成されてたまる「皮様囊腫(ひようのうしゅ)/成熟嚢胞性奇形腫」があり、このほかに「子宮内膜症」が卵巣に発生して血液がたまる「チョコレート嚢胞」があります。

 また、卵巣囊腫の根元がねじれてしまう「茎捻転(けいねんてん)」になると激痛が起こり、緊急手術が必要になるケースがあります。これは卵巣がお腹の中で靭帯に吊られている構造のため、稀に起こるトラブルです。捻転の起こりやすさには特徴があり、卵巣嚢腫の内側の比重が異なる「皮様囊腫(ひようのうしゅ)/成熟嚢胞性奇形腫」では捻転が起こりやすいことが知られています。一方で「チョコレート嚢胞」や悪性の腫瘍では周囲の臓器に癒着する可能性が高く、捻転が起こることはあまりありません。

 卵巣囊腫のうち約1割が悪性の「卵巣がん」で、「卵巣がん」に罹患する女性は年に約2万6,000人※。婦人科系のがんの中では発症数が低いものの、自覚症状がほとんどないために早期発見しづらいのが難点です。
 6月の〈女性の病気と見つけ方〉でもお伝えしましたが、病気には見つけやすいものと見つけづらいものがあり、卵巣は病気を見つけづらい臓器なのです。残念ながら市区町村の定期検診にも「卵巣がん検診」はありません。
 対策としては、年に1度の「婦人科(子宮がん)検診」の際に「超音波検査」を同時に受けること。子宮がん検診の内診だけでは、卵巣の腫大は判断できないことが多いです。超音波検査をすれば腫れた卵巣を見落とすことはまずありませんし、卵巣が腫れることなく「卵巣がん」になることもほぼありません。もし、卵巣が腫れていることを指摘された場合は、定期的にチェックしていきましょう。

 子宮や卵巣の検査を受けるタイミングとしては、生理が始まってから7~9日後、いわゆる生理が終わった直後が最適です。子宮や卵巣がベースの状態に戻るため、より正確な診断をしやすいからです。そして病院に行く時には、最低限、前々回、前回の生理がいつ始まり何日間で終わったのかを伝えられるようにしてください。

 最後に、質問にあった「ホルモンバランスの乱れ」ついて。ホルモンと卵巣の働きには密接な関係がありますが、卵巣の腫れ=ホルモンの異常と考えるのは適切ではないでしょう。ホルモンバランスについては多くのニッキィさんからも質問が寄せられていますので、次回、詳しくお話ししていきます。

結論 卵巣は、早期発見が難しい沈黙の臓器。 年に一度の子宮がん検診の際に「超音波検査」を行うこと、 異変をキャッチすることが対策の第一歩になります。 子宮や卵巣の検査を受けるタイミングは、生理が終わった直後が最適です。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。