ニッキィ女性のからだ相談室
10月12日

ホルモンバランス

「ホルモンバランスの乱れによる不定愁訴にうまく対応できません。 生理休暇は制度としてありますが、 男性が上司で辛くてもなかなか取れず…」
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質問 「ホルモンバランスの乱れによる不定愁訴にうまく対応できません。 生理休暇は制度としてありますが、 男性が上司で辛くてもなかなか取れず…」

「ホルモンバランスの乱れ」という言葉をよく耳にします。
 9月の相談者のニッキィさんも気にしていましたね。クリニックの患者さんからも、不眠、うつ、イライラ、精神不安定などの原因不明の体調不良に悩み「ホルモンバランスを調べてほしい」と言われることがあります。
 そんな時にまず確認するのが、生理がほどほどのタイミングできているかどうか。女性ホルモンの働きの最大の産物は生理です。生理がきていれば、女性ホルモンは正常に分泌されています。ホルモンの作用なしに生理は起こらないからです。
 もし、3カ月以上生理がこない「無月経」の場合には何らかのホルモン異常の可能性が考えられますので、望ましいタイミングで検査を受けホルモンの分泌量を測ったり、他の病気の恐れがないかを検査したりして原因究明と治療を始めた方がいいでしょう。

 ところで、そもそも「ホルモンバランスの乱れ」とは何か?という問題があります。<
 「乱れ」と言うからには「正常」があるはずです。ホルモンの働きについて正常か否かは判断できますが、ホルモンバランスについては、どうなっていればベストなのか、その模範解答は確定できるものではありません。なぜなら、分泌されるホルモンの数値は生理周期とともに日々変動しているからです。

 生理とホルモンについて、詳しくお話ししていきましょう。<br />  生理と深く関係する女性ホルモンとは、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」という2つのホルモンです。とくに重要なのはエストロゲンで、女性はエストロゲンの分泌量が増えると初潮を迎え、エストロゲンが分泌されなくなると閉経を迎えます。このエストロゲンの分泌を司っているのは、脳にある「視床下部」です。

 視床下部は、常に血中のホルモン量のフィードバックを受けていて、必要に応じてエストロゲン分泌の指令を出します。命令系統は「視床下部→下垂体→卵巣」です。
 指令を受けた卵巣がエストロゲンを分泌すると、子宮内膜は徐々に厚くなります。エストロゲンがピークに達したことを下垂体が察知すると、排卵を起こすためのホルモンが分泌され、排卵します。排卵後は、妊娠のための着床に向けてプロゲステロンの分泌が増えていきます。妊娠が成立しないと排卵後10日頃より2つのホルモン分泌は減り、子宮内膜もはがれて経血となり、生理を迎えます。
 このように、視床下部→下垂体の指揮のもと2つのホルモンが分泌量を変えながら、25~38日周期で妊娠のための準備を繰り返すのが、女性の体であり生理周期です。ある意味、ホルモンバランスは絶えずバランスを変化させているため、体調に変化が起こるのも自然のことなのです。
 ただし自然なこととはいえ、生理痛やイライラ、憂鬱やむくみといった自覚症状がひどい時には、婦人科に相談してみてください。痛み止めや漢方、ピルなど様々な対処法があります。

 ちなみにホルモン分泌を司る視床下部は、ホルモン系のほかに、自律神経系、免疫系を司っているため、ホルモン系の不具合の影響が自律神経や免疫の状態に及ぶことがあります。これが不調の原因を突き止めるのを難しくしているひとつの原因でもあります。
 気をつけたいのは不眠や憂鬱などを「きっとホルモンバランスの乱れだろう...」と我慢し過ぎてしまうこと。自律神経失調状態を引き起こしている可能性も考えられます。まずは自分が不調を感じる時期を具体的に把握することから始めてみましょう。どんな時期にどんな症状が起こるのか、それが月経周期と関係しているか否かを観察してみてください。

結論 生理がある程度順調にきていれば、ホルモンバランスは保たれています。 ホルモンの分泌は生理周期によって常に変化するため それに伴う体調の変化は避けられませんが、辛い時には婦人科に相談を。 対処法も様々あります。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。