ニッキィ女性のからだ相談室
11月 9日

更年期

「50代を迎え、平均的な閉経年齢を迎えています。
まだ更年期障害の自覚症状はありませんが、なんとも心の準備ができません」
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質問 「50代を迎え、平均的な閉経年齢を迎えています。
まだ更年期障害の自覚症状はありませんが、なんとも心の準備ができません」

 「更年期」は、ある年齢になれば必ず誰もが迎えますが、「更年期障害」は全員に起こるものではありません。
 100人の女性のうち、30人程度はほとんど自覚症状がなく、60~70人が何かしらの変化を感じ、そのうち20~30人が更年期障害と呼ばれる重い症状を自覚します。質問者のニッキィさんは、もしかしたらあまり症状を感じずに更年期が過ぎていくタイプなのかもしれません。

 そもそも、更年期や閉経とは何でしょうか? 
 ある程度の年齢を迎え、12カ月間生理がこなかった場合に「閉経」を迎えたと判断します。そして閉経の前後5年間を「更年期」と呼びます。平均的な閉経年齢は49.7歳ですので、45~55歳の約10年を更年期と考えるのが一般的です。
 しかし、人の体には個人差があるため、55歳になっても生理がある人もいれば、42歳くらいで閉経する人もいます。

 10月の〈ホルモンバランス〉でもお話しましたが、生理には「エストロゲン」という女性ホルモンの働きが大きく関係しています。エストロゲンを分泌するのは「卵巣」です。脳にある「視床下部」から「エストロゲンを出してください」という指令が出ても、年齢を重ねて機能が低下した卵巣はエストロゲンを分泌できなくなり、やがて閉経を迎えることになります。
 卵巣の機能は、初潮を迎える13歳頃から閉経を迎える50歳頃まで、約37年間の期間限定の働きなのです。

 筋力は高齢になってもトレーニングでアップしますが、エストロゲンは訓練によって分泌し続けたり、毎月の分泌量を減らしてキープしておいたり、自力で分泌コントロールができるものではありません。
 でも、補充は可能です。事実「ホルモン補充療法(HRT)」によってエストロゲンを補充することで、ほてりやのぼせ、抑うつや不安といった更年期障害の症状の多くが軽減されますので、もし更年期の辛い症状を感じたら婦人科で相談してみてください。
 最近は肌に貼るシールタイプ、肌に塗るジェルタイプがすすめられています。皮膚から経皮吸収させる方法が、副作用が少ないことがわかっています。

 ちなみに、もうひとつ更年期障害をあらかじめ回避する手段があります。若いうちから「ピル」を使って日常的にホルモンコントロールする方法です。ただし、これは30代までに始めることが条件となっています。ピルは使い始めの頃に血栓症を起こすリスクが高いことがわかっているため、40代以上からスタートすることはおすすめできないのです。
 もし普段から生理が重く、いつか訪れるかもしれない更年期障害のリスクを回避したい人は、20〜30代のうちに婦人科医に一度相談してみるのも手です。ピルについては、次回以降で改めて詳しくお話ししていきます。

 歴史をさかのぼってみると、多くの女性たちは更年期を迎える前に一生を終えていました。寿命が急激にのびた現在、日本人女性の平均寿命は87.14歳※。閉経を迎える50歳を境に、生理がある37年間と生理のない37年間が私たちに与えられています。生殖機能がなくなった後にもこれほどまで長く生き続ける存在は、人間の女性のほかにはいません。
 長寿を手にした女性たちの役割とは何か、この先の37年、自分をどう生かすか。なかなか壮大なテーマですが、広い視野と明るい気持ちで未来を眺めながら、更年期をしなやかに乗り越えていきましょう。

※厚生労働省。「平成28年 簡易生命表」

結論 更年期障害を感じない人もいます。
もし更年期の症状が出ても「ホルモン補充療法」で軽減できるのでむやみに怖がらなくても大丈夫です。
20〜30代から「ホルモン療法」を取り入れる更年期対策もあります。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。