ニッキィ女性のからだ相談室
3月 8日

おりものの異常

「おりものの量や匂いが気になったり、かゆみを感じたりすることがあります。 感染症の可能性もあるのでしょうか…」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
質問 「おりものの量や匂いが気になったり、かゆみを感じたりすることがあります。 感染症の可能性もあるのでしょうか…」

 おりものやかゆみが、なんらかの異常のサインである可能性はありますが、大きな問題でないことも多いです。
 また、感染症というと『カンジダ』『クラミジア』『淋病』などがひとくくりに考えられがちですが、実はカンジダは感染症ではないなど、正しく認識されていないことも多いです。これを機に正しく知って余計な心配を減らしましょう。

 まず、おりものやかゆみについて、よくある3つの相談から解説します。

 1つ目は「おりものが多い」。
 気になることがおりものの量のみの場合は、ほとんど問題ナシです。おりものの量や状態は生理周期によって異なります。排卵期は牽糸性(けんしせい)のあるスーッと伸びるおりものになり量も多めで、排卵後はおりものがコテっとポテッとした状態に変わります。
 おりものの色が白濁したり黄色っぽくなったりしても、数日のことであれば問題はないでしょう。おりものは日々変化するものなので、逆に月曜から土曜まで同じ状態が続くようなことがあった場合は、『クラミジア』などの可能性もあるので婦人科で相談してみてください。
 『クラミジア』については、後ほど解説します。

 2つ目は「おりものが匂う」。
 これは、おりものそのものが匂っているのか、おりものシートに出てきたものが匂っているのかも見極めたいところ。おりものシートについたものが匂いを発することはよくあります。おりものそのものが匂う場合は、雑菌が影響している可能性が高く、菌の検査をおすすめします。
 実は腟の中には、もともと色々な菌がいます。菌の検査をすると常在菌と呼ばれる数種類の菌たちが見つかりますが、ほとんどが悪さをしない雑菌たちです。中には腟内を綺麗にしてくれるラクトバシラスという乳酸菌もいます。
 発見されると治療が必要なのが『トリコモナス』『クラミジア』『淋菌』などです。ただし、『クラミジア』と『淋菌』はそれらがいるか否かを狙った検査をしないと判明しないため、まず検査項目として選ぶ必要があります。

 3つ目は「かゆみ」。
 これは『カンジダ症』であることが多く、おりものが白っぽく酒かす状だったり、チーズ状だったりする場合はほぼカンジダ症でしょう。
 冒頭でお伝えしたようにカンジダ症は感染症ではありません。カンジダ菌は誰の腟内にもいる常在菌のひとつであり、カビ真菌の一種です。寝不足や疲れなどによって免疫力がダウンすると、腟内のカンジダ菌が増殖し『カンジダ腟炎』が起こります。もうひとつ、カンジダには腟の外で発症する『カンジダ外陰炎』があります。これは皮膚にカンジダ菌がいる状態です。もちろん腟と外陰部と両方で炎症が起こることもあります。夜中に目が覚めてしまうほどの強烈なかゆみが特徴です。
 ちなみに、カンジダ症は妊婦さんがなりやすいほか、抗生物質を内服することで腟内の菌のバランスが崩れて発症することもあります。
 ムレや擦れがかゆみを引き起こすので、おりものシートの装着を減らして通気性を保ち、皮膚に負担をかけないことなども予防策のひとつです。

 そして、相談者のニッキィさんが心配している"感染症"について。

 感染症では『クラミジア』『淋病』『トリコモナス』『梅毒』『HIV』などが知られていて、これらはクリニックの『ブライダルチェック』の検査項目にも入っています。この中でも発症率や進行した場合のリスクから考えて、用心しておきたいのは『クラミジア』です。
 『クラミジア』は性交渉により感染しますが、自覚症状があまりないのが厄介なところ。気がつかないうちに感染が長期化すると、出血を伴う『クラミジア頸管炎(けいかんえん)』や卵管を詰まらせ妊娠しづらくなる『クラミジア卵管炎』、さらには『クラミジア腹膜炎』や『フィッツ・ヒュー・カーティス症候群』と呼ばれる『肝周囲炎』にまで進行し、入院生活を余儀無くされてしまうことがあります。

 おりものの異常アリ、生理ではない出血アリ、性交渉後の出血アリ、思い当たる性交渉アリ、という場合は、クラミジアを疑って検査してみてください。もし感染していたら、パートナーにも泌尿器科で検査を受けてもらいましょう。尿や血液で済む簡単な検査です。検査を拒む男性には「それなら検査はいいから薬を飲んで」と服薬をすすめてください。性感染症はパートナーと2人セットでの治療が大切です。

 腟内にも腸内と同じく"細菌叢(さいきんそう)"という集合体の働きがあり、ばい菌が入ってきても元に戻そうとしたり、バランスを保とうとしたりしてくれます。カンジダや感染症を予防するためにも、寝不足や不摂生を避け、自分の体に備わっている力を存分に生かしていきましょう!


 

 

結論 おりものの異常が同じ状態で1週間以上続いたら、婦人科に相談してみましょう。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。