ニッキィ女性のからだ相談室
4月12日

貧血

「立ちくらみや目の下のクマが増えました…。 鉄分不足も感じるのですが、これって貧血でしょうか?」
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質問 「立ちくらみや目の下のクマが増えました…。 鉄分不足も感じるのですが、これって貧血でしょうか?」

 立ちくらみやめまいの原因としては、貧血/低血圧による発作/自律神経の乱れなどが考えられます。クリニックでもこうした相談を受けるとはじめに疑うのは"貧血"です。血液検査をして血中の"ヘモグロビンの値"を調べることをおすすめします。
 成人女性のヘモグロビン濃度の正常値は12g/dl。それ未満だと貧血の恐れがあり、9g/dlともなると加療が必要な状態です。

 では、ヘモグロビン濃度が低いと何が問題なのでしょうか? 
 ヘモグロビンは、赤血球と共に"体中に酸素を運搬する役目"を担っています。そのヘモグロビンが少ないということは、体の隅々へ酸素を十分に運べないということです。
 例えるなら、同じ大きさのバスでも通常は12席あるのに、ヘモグロビン濃度が低いバスは座席が9席しかなく運搬力が低い...。体中に十分に酸素を運ぼうとすると次々とバスを発車させなければならず、心拍数も上がり、動機・息切れが起きてしまうというわけです。
 酸素の供給が間に合わず、脳が酸素不足になれば立ちくらみが起こりますし、筋肉が酸素不足になれば疲れやすくなります。そして、酸素不足は肌にも影響し、相談者のニッキィさんが気にしていた目の下のクマや乾燥肌などにもつながります。

 「貧血には鉄分」と言われますが、これは体内でヘモグロビンができる際に鉄分が必要だからです。鉄分はレバーやほうれん草などの食べ物から摂取できます。体に入る鉄分の量と出ていく量とのバランスが取れていれば問題ありませんが、女性には生理があり、出血によって定期的に大量の鉄分が体外へ出ていってしまいます。また、妊娠中や授乳中も、鉄分が胎児や母乳へ供給されるため鉄分不足になり、必ずと言っていいほど貧血を起こしてしまいます。

 ヘモグロビン濃度が9g/dlまで低下したような貧血を改善するためには、食事だけでは間に合いません。クリニックでも鉄剤を処方し鉄分を補います。それでも9g/dlから正常値の12g/dlまで上げるには2〜3カ月かかります。正常値になってからも、生理による出血でまた鉄分不足が起こってしまわないか、約3カ月は経過観察を続けます。
 ちなみに、貧血には"葉酸"が不足して起こるものもあるため、サプリメントで葉酸を補うこともすすめています。

 ひとつ気をつけたいのは、閉経後の女性の貧血や男性の貧血です。生理による出血がないはずなのに貧血が続いていたら、体のどこかで出血が起こっている可能性があります。急にガクッとヘモグロビン濃度が低下した場合も同じです。胃潰瘍や胃がん、大腸がん、子宮体がんなど別の病気を疑って早めに検査を受けましょう。とくに消化器官の出血は気がつきにくく、ヘモグロビンの値の低下から大病が見つかることもあります。
 血中ヘモグロビン濃度の検査は、会社や市区町村の健康診断の検査項目に入っていることが多いベーシックな検査です。ぜひ前回、前々回の結果と見比べながらチェックしてみましょう。

 貧血の症状としては、相談者のニッキィさんのように、立ちくらみやめまい、目の下のクマのほか、疲れが続く、爪の色が薄いといったものがあります。いつも氷を食べてしまう"氷食症(ひょうしょくしょう)"も貧血の症状のひとつです。
 心当たりがあり貧血が心配になったら、女性はまず"婦人科"へ、婦人科で問題が見つからなかった方や男性は"内科"へ相談してみてください。

結論 貧血の可能性があります。 まずは血液検査をして“血中ヘモグロビンの値”を調べてみましょう。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。