ニッキィ女性のからだ相談室
6月 7日

産後の選択 食事/授乳/体型

「現在、育児休暇中です。 産後に気をつけるべき食生活や 体型を戻す方法などがあれば教えてください」
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質問 「現在、育児休暇中です。 産後に気をつけるべき食生活や 体型を戻す方法などがあれば教えてください」

 出産は大きな体の変化を伴うものです。出産を経験した女性には、「これからはずっと『産後』なんだよ」とお話しします。「元通りにする」のではなく「今より困っていない状態にする」という意識で向き合うことをおすすめします。

 産後、特に授乳中は、栄養をしっかり摂ってください。母乳は血液から作られ、想像以上の水分と栄養が取られます。水分とタンパク質は多めの摂取が必要です。
 授乳についてはいつまで続けるか、母乳だけで育てるか、ミルクと併用するかなどそれぞれで、「母乳で育てたい」という人も多いですが、ぜひ知っておいてほしいのが授乳と女性ホルモン「エストロゲン」の関係です。

 授乳中は新たな妊娠を避けるためにエストロゲンの分泌が抑えられます。5月の〈産後の不安〉の回でもお話しましたが、妊娠中、大量に体内にあったエストロゲンは出産後、胎盤を失うことにより激減します。そのうえさらに授乳期が続くということは、長期にわたりエストロゲン不足が続く、ということです。
エストロゲンは女性の体を守っている存在でもあり「閉経」とも関係する大切なホルモンです。とくに高齢出産をした人は卒乳(授乳終了)のタイミングを見極めるべきでしょう。
 例えば、42歳で出産して卒乳まで3年かかったとするとお母さんはすでに45歳。そのまま閉経を迎えてもおかしくない年齢です。妊娠した41歳頃から生理が止まりそのまま閉経となると、骨粗しょう症や肌のくすみ、心・血管の疾患、物忘れといったリスクにさらされる期間が長くなるのです。 
 ちなみに、授乳のメリットとしては、赤ちゃんにお母さんの持っている免疫力を届けられる点や、乳がんのリスクを下げる点が挙げられます。

 体については「出産で体型が崩れる」などとも言われますが、実は出産は姿勢を正す絶好のチャンスです。妊娠すると女性の体では出産という大仕事に向けて、骨盤をはじめとするすべての靱帯(じんたい)がことごとくゆるんでいきます。関節などの可動域が最大になる特別な状態なのです。
 人の体はもともと左右対称ではなく不均衡です。一般的に心臓は体の左側にあり、利き手もあります。階段の昇り降りでどちらの足を先に出すか、声をかけられた時にどちら側から振り返るかなど、無意識に行っている動作の積み重ねも体のバランスを崩します。
 体がゆるんでいる産後こそ、右手で抱っこしたら左手でも抱っこしてバランスをとる、ストレッチやヨガで体を整えるなど、体づくりを意識した有意義な時間を過ごしてください。出産は女性だけに与えられた体を整えるチャンスでもあるのです。

結論 授乳中は、水分とタンパク質を多めに、しっかり栄養摂取を。 高齢出産の人は「卒乳」の見極めも大切です。 産後は姿勢を正す絶好のチャンス! 左右のバランスを意識して過ごしましょう。  
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。