ニッキィ女性のからだ相談室
11月 8日

歯と健康

「妊娠する前に歯の治療を終えた方がいい、と聞いたことがあります。 今のうちに親知らずを抜いておこうかどうか迷っています。 歯と妊娠って何か関係あるんですか?」
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質問 「妊娠する前に歯の治療を終えた方がいい、と聞いたことがあります。 今のうちに親知らずを抜いておこうかどうか迷っています。 歯と妊娠って何か関係あるんですか?」

 歯の健康と妊娠には関係があります。母子健康手帳にも妊娠中期に歯科検診の結果を記載するページが設けられています。それは「歯周病」が早産や低出生体重児を引きおこすことがあるからです。また、出産後のお母さんは骨量が減るため、インプラントができないこともあります。
 親知らずを抜いた方がいいかどうかは歯の状態にもよるでしょう。歯科医と相談して決めるしかありませんが、「歯を1本失うと、その後の人生で約130万円の医療費がかかるほど影響がある」とも言われます。噛み合わせの悪さなどが健康へ様々な影響を及ぼすからです。慎重に判断することをおすすめします。

 近年、口の中の状態(口腔環境)と全身の健康との関係に注目が集まっています。かつて口の中の問題といえば「むし歯」でしたが、いまは「歯周病」の方が重要視されます。歯周病を治療すると、糖尿病が良くなるほか、誤嚥(ごえん)性肺炎や心筋梗塞などにも好影響を及ぼすことがわかっています。

 歯周病とは歯肉が炎症を起こす病気です。原因は歯と歯肉の間に溜まった細菌、すなわちプラーク(歯垢、しこう)。歯と歯肉の間には通常2〜3mmの深さのポケット(すき間)があり、プラークが溜まるとさらに深くなります。4mm以上になると歯周病と呼ばれます。

 口の中には300〜500種類の細菌がいて、1mgのプラークの中には約10億個の細菌が存在します。このプラークが固くなり石化したものが「歯石(しせき)」です。歯石はセルフケアでは取れないため、歯科医でのクリーニングが必要です。

 皆さんはどのくらいの頻度で歯科医に行きますか? 私は4〜6カ月に1回は必ず行きます。虫歯のチェックだけでなく、歯周病の原因となるプラークを除去してもらい、口の中をリセットするためです。
 このように、積み重なったリスクをリセットできる病気は他にはありません。リセットできるのなら、やらない手はありません。日々のセルフケアと定期的な歯科医でのクリーニングで、口の中の環境を良好に保つ習慣をつけましょう。

 次回、日常に潜む口腔環境悪化のリスクや、正しい毎日のセルフケアについてお話しします。

結論 歯や口の中の状態は妊娠だけでなく、全身の健康にも関わります。 定期的な歯科医でのクリーニングで口腔環境をリセットしながら 日々のセルフケアを怠らないようにしましょう。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。