ニッキィ女性のからだ相談室
1月10日

自律神経

「取引先の担当者が急に交代しました。 自律神経失調症で休職したとのこと。 自律神経失調症ってよく耳にしますがどういうことですか?」
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質問 「取引先の担当者が急に交代しました。 自律神経失調症で休職したとのこと。 自律神経失調症ってよく耳にしますがどういうことですか?」

 まず自律神経が何かということからご説明します。「目」を例にしましょう。私たちはまぶたを開いたり閉じたりしようと思えば自分の意思でできますが、瞳孔を開いたり閉じたりすることはできません。この瞳孔の動きと同じように体には、心臓、肺、胃腸などの内臓の動き、血流や体温の調整など、自分の意思ではコントロールできない動きが数多くあり、これら無意識の動きが生命活動に重要な働きをしています。

 意識・無意識に関わらず動きが発生する時には筋肉が働きます。骨格筋など自分の意思で動く筋肉を「随意筋(ずいいきん)」、内臓を取り巻く筋肉など自分の意思で動かせない筋肉を「不随意筋(ふずいいきん)」といいます。意識的に動かせる随意筋を司っているのが「体性神経」で、意識しても動かせない不随意筋を司っているのが「自律神経」です。

 ここで女性の体と自律神経の関係についてお話ししておきます。2017年10月の〈ホルモンバランス〉の回でも説明しましたが、女性ホルモン(エストロゲン)を分泌する指令を出しているのは、脳にある「視床下部(ししょうかぶ)」です。「視床下部→下垂体→卵巣」という命令系統によって、卵巣が女性ホルモンを分泌し、生理リズムが生まれています。この視床下部の最も重要な役割が「自律神経の調整」です。

 汗やほてり、イライラといった、自律神経失調状態の時に見られる症状と、生理や更年期によって起こる症状とが似ているのは、どちらも自律神経の働きがいまひとつの時に感じる症状だからです。

 自律神経については研究が続いており、まだ詳細は解明されていません。自律神経失調症についても定義は難しく、「神経症やうつ病に付随する各種症状の総称」というのが一般的な解釈です。「様々な検査をしてみたけれどその症状を裏付ける所見を見出せない。でも不調や体の異変が続く」といった状態になると、自律神経失調症と診断されることがあります。医療分野としてはっきりと確立していないため自律神経の専門医はほとんどいません。最終的に診断を下すのは心療内科や精神科の医師であることが多いのが現状です。

 近年は自律神経失調症と診断される人が少なくありません。なぜ現代人は自律神経に関する不調に悩まされやすいのか、次回「交感神経/副交感神経」について解説しながらお話しします。

結論 無意識でも働く、内臓機能や体温調整など 生命維持に欠かせない動きを司っているのが「自律神経」です。 自律神経がうまく働かなくなると様々な不調が現れます。 不調の原因がはっきりせず症状が続く状態を「自律神経失調症」と呼んでいます。 仕事を続けられなくなる人も少なくありません。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。