ニッキィ女性のからだ相談室
3月14日

副交感神経の高め方

「会社の研修で“瞑想”を初体験。ところで、なんで瞑想がいいんですか?」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
質問 「会社の研修で“瞑想”を初体験。ところで、なんで瞑想がいいんですか?」

 近年、日本でも瞑想やヨガなどを研修や健康促進プログラムに取り入れる企業が増えました。これこそ1月からテーマにしている「自律神経」に関わる話です。ビジネスシーンでは緊張が続いて交感神経が高まる場面が多く、意識的に副交感神経を高めてリラックスすることが必要です。このため、瞑想などが健康維持やパフォーマンス向上に役立つと考える経営者は多いです。質問者のニッキィさんも、きっと瞑想を通じてリラックスできたりリフレッシュできたりしたのではないでしょうか。今回は現代人が苦手な「副交感神経の高め方」について紹介します。

 副交感神経を高めるためには「呼吸」が鍵になります。呼吸は、自分でコントロールできない自律神経へアプローチできる唯一の方法です。呼吸には無意識にしている呼吸と、意識的にする呼吸があります。このように「二重支配」が行える臓器は珍しく、呼吸を司る「肺」は内臓の中で唯一私たちがコントロールできる臓器と考えられます。

 前回のおさらいになりますが、イライラするなどして交感神経が優位になると血圧は上がり、心拍数も増えます。逆に、リラックスして副交感神経が優位になると血圧は下がり、心拍数も少なくなります。自分でコントロールできないはずの心拍数が、意識的にゆっくり呼吸すると落ちていくのは誰もが確認できます。手軽に心拍数を数値で確認できる時代です。

 心拍数が落ちるということは、血圧が下がっているということ。すなわち、副交感神経が優位になっていることになります。ヨガや瞑想がリラックスやリフレッシュによいと言われるのは、副交感神経を意識的に優位にできるからです。

 いつでもどこでも簡単にできる副交感神経を優位にする方法が、ゆっくり呼吸することなのです。

 呼吸のほかに簡単にできる方法としては、握りしめている手を開く、立っている状態から座る、横たわるなども副交感神経を優位にする助けになります。仕事中や通勤途中などに緊張が高まっていると感じたら、まずは意識してゆっくりと呼吸を。それだけで体も気持ちもきっと少し楽になるでしょう。

 なお、ぜんそくなどの呼吸器官に不安をもつ人は注意が必要です。副交感神経が優位になると血管が拡張し全身に酸素が十分行き渡るため、呼吸器官は細くなります。そのため副交感神経が優位な状態が続くとぜんそく発作が起こる可能性があります。ご注意ください。

 また時折、通勤電車の中で倒れてしまう人がいます。貧血だと思いがちですが、実は「迷走神経反射」という、自律神経のスイッチ切り替えがうまくいかないことで起こる病気の可能性が考えられます。活動的にならなければいけない時間帯になっても交感神経をうまく優位にできず、副交感神経が優位なままで血圧を上げられないことが原因です。

 まずは、朝起きたら朝日を浴びる、朝食をしっかり食べるなど、体を活動モードにするよう生活習慣を見直してみましょう。それでも頻繁に貧血のような症状があり、かつ、健康診断を受けても貧血の疑いがない時は、婦人科や内科で一度相談することをおすすめします。

 年齢を重ねてイライラしやすくなったと感じることはありませんか? 女性には生理があり、排卵に向かう時期はエストロゲンの分泌が増え、同時に副交感神経も優位になります。逆に、加齢とともにエストロゲンの分泌が減ると、副交感神経が優位な時期も減ります。言わば、女性は年齢を重ねるとともにリラックスしづらい体になるということです。

 だからこそリラックスできる方法を身につけることが大切です。長い人生を健康に快適に過ごすために、まずはゆっくり呼吸する時間をつくってみてください。

結論 瞑想やヨガなど、ゆっくり呼吸することで、副交感神経を優位にすることができます。リラックスする方法を身につけることが、現代人としても、女性としても大切です。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。