ニッキィ女性のからだ相談室
4月11日

日光浴とビタミンD

「近頃は子供も紫外線対策をしますが、日光浴って必要ないんでしょうか?」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
質問 「近頃は子供も紫外線対策をしますが、日光浴って必要ないんでしょうか?」

 紫外線対策は欠かせませんが、適度な日光浴はしたほうがよいでしょう。なぜなら、丈夫な骨や筋肉をつくる際に欠かせないビタミンDが、日光浴によって生成されるからです。そのため体をつくる成長期の子供には日光浴が不可欠とされ、かつては母子健康手帳でも日光浴が奨励されていました。

 しかし、1980年代にオゾンホールのニュースが世界を駆け巡り、紫外線対策が叫ばれるようになると、母子健康手帳でも1998年には「日光浴」の表記が「外気浴」に変更されました。

 紫外線による2大リスクは「皮膚がん」と「白内障」で、自前のUVカット機能ともいえるメラニン色素が少ない一部の欧米人などにとっては深刻な問題です。紫外線はシミやシワなどの発生や増加にも影響をおよぼすため、今では多くの人が一般的にケアするものになりました。 

 ビタミンDは、日光浴か口からの摂取のどちらかで得ることができる栄養素で、近年注目が集まっています。
 骨や筋肉をつくるのに欠かせないだけでなく、高血圧対策、免疫力アップ、生活習慣病の予防、肝臓がんの抑制に役立つなど、これまでわからなかった働きが次々と報告されています。
 10年ごとに見直される厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」2020年版でも、1日に必要なビタミンD摂取量の目安が5.5μgから8.5μgへと引き上げられる予定です。
 
 日光浴によるビタミンDの生成は季節や日照条件に左右され、緯度によって必要な時間にも大きな差があります。紫外線の弱い12月の場合、那覇で8分間、茨城県つくばで22分間、札幌で76分間、両手と顔を太陽光に当てなければ必要量のビタミンDは得られません※。
 とくに冬の間、緯度40度を越える地域では日光浴だけではビタミンDが不足するとも言われ、日本では秋田県・岩手県の北部より北の地域では、より積極的なビタミンDの摂取が必要です。

 ビタミンDを多く含む食材は、シラス干し、ベニザケ、イワシの丸干し、干しシイタケなどがあります。ただし、必要量を満たすには大量に食べなければならないため、効率的に摂取するならばサプリメントを利用するのも一つの選択肢です。じつは私も毎日サプリメントでビタミンDを補給しています。

 なお、あまり知られていませんが、妊婦さんにとってビタミンDはとても大切です。胎児の成長過程で頭の骨が形成されるのは妊娠末期。この妊娠末期を日照時間の少ない冬場に過ごしたお母さんから生まれた赤ちゃんは、頭の骨量が少ない傾向にあることが報告されています。

 骨=カルシウムと思われがちですが、ビタミンDがあってはじめてカルシウムが骨に定着します。骨をつくりださなければいけない妊婦さんや幼児、骨がもろくなりやすい高齢者はもちろん、女性ホルモンの低下によって骨粗しょう症になる可能性が高いすべての女性にとって、ビタミンDは常に意識しておきたい栄養素なのです。

 これからの季節、紫外線対策は欠かせませんが、一方でビタミンDを補うことも忘れないようにしてください。

※独立行政法人(現国立研究開発法人)国立環境研究所調べ(2013年)

結論 日光浴にはビタミンD生成という大切な役割があります。ビタミンDは骨や筋肉を丈夫にするほか、健康な体を支える注目の成分です。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。