ニッキィ女性のからだ相談室
6月13日

女性のカラダと水分

「職場でトイレに何度も立つのが嫌で水分補給を控えてしまうのですが、夏はやはり水をちゃんと摂らないと危険ですよね?」
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質問 「職場でトイレに何度も立つのが嫌で水分補給を控えてしまうのですが、夏はやはり水をちゃんと摂らないと危険ですよね?」

 年を追うごとに夏の暑さが増し、脱水症や熱中症で救急搬送される人が増えています。季節を問わず水分補給は欠かせませんが、汗でカラダの水分が失われやすい夏はとくに水分不足に注意が必要です。

 人間のカラダの約60%は水分です。体重50kgの成人女性の場合、約30kg分が水分となります。この水分のわずか5%を失うだけで脱水症状や熱中症などの異変が現れ、20%が失われると死に至るとされています。
 脱水を起こしているかどうかの判断材料のひとつは、尿。いつもより少なかったり、色が濃かったりしたら要注意です。

 人間が1日に必要な水分量の目安は2.5リットルです※。そのうち0.3リットルは体内でつくられますが、残りの2.2リットルは外からの摂取が必要となります。食事から約1リットルが摂取できるので、残る1.2リットル分の水を意識的に飲む必要があるというわけです。

 水分不足で脱水状態になると、最も危険なのは「血栓症」です。血栓症とは、血のかたまり(血栓)が血管に詰まってしまうことで、水分不足になると血中の水分も減るため血液粘度が上がり、血栓ができるリスクが高まります。
 血栓症は発症する場所によって脳梗塞や心筋梗塞と呼ばれます。よく耳にするエコノミークラス症候群も血栓症の一種で、長時間静止していた後に急に動き出した時などに起こりやすいです。

 じつは女性にはもともと血栓症のリスクが高まる時期があります。妊娠中、産後約12週間、ピル服用中、そして生理中です。

 妊娠中は汗をかきやすいうえに、つわりなどで水分補給ができず水分不足になりやすいですし、産後は授乳によってかなりの水分が失われます。また、水分を失いやすいだけでなく、血液の凝固機能の変化も起こります。
 一方、ピル服用中は、ピルに含まれるホルモンが肝臓における血液凝固機能に影響するため、血栓ができやすくなります。ピルによる影響については2018年2月のコラム〈ピルとホルモン補充療法〉も参考にしてください。
 生理中は、カラダにとっては出血状態のため血液凝固機能に変化がみられ、血液が固まりやすい状態になります。そこに水分不足が重なると血栓症のリスクが高くなるのです。
 このほか、喫煙、肥満、加齢などでも血栓症のリスクは高まります。

 生理や加齢は避けられませんが、タバコを吸わない、太り過ぎない、汗をかいた分だけ早めのタイミングで水分を補給する、といったことは心がけ次第で変えられることです。
 なかでも水をこまめに飲むことは最も手軽な予防法。夏はもちろん、とくに生理中はいつも以上に水分摂取を心がけてください。
 サウナやホットヨガなども水分不足に陥るリスクがあります。大量に汗をかいたら、その分早めの水分補給をお忘れなく。

※厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動

結論 1日1.2リットルを目安に水を飲みましょう。 夏は気がつかないうちに脱水症状になりやすいので、水分補給を心がけてください。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。