ニッキィ女性のからだ相談室
11月14日

避けられないがん リスクを下げる方法

「母が胃がんの手術を、叔母が子宮頸がんの疑いがあり再検査をしています。がんが身近な存在で不安です……。がん家系なのでしょうか?」
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質問 「母が胃がんの手術を、叔母が子宮頸がんの疑いがあり再検査をしています。がんが身近な存在で不安です……。がん家系なのでしょうか?」

 9月から引き続き「がん」のお話です。ぜひ、知っておいてほしいので同じことを繰り返しますが、

 ●がんには「避けられるがん」がある
 ●がんは1日にしてならず=早期発見できる
 (正常な細胞が、がん細胞になり、さらに発症するまでには時間がある)
 ●「避けられないがん」でもリスクは減らせる

ということを覚えておいてください。

 9月に紹介した「子宮頸がん」、10月に紹介した「胃がん」「肝臓がん」などは「避けられるがん」ですが、これら以外のほとんどのがんは残念ながら「避けられないがん」です。言うなれば交通事故のようなもので、誰の身にいつ起こるかわかりません。しかし、発がんのリスクを下げることはできます。

 以下の5つの健康習慣で、がんになるリスクが低くなります。

 ①禁煙する
 ②節酒する
 ③食生活を見直す
 ④身体を動かす
 ⑤適正体重を維持する

 これは科学的根拠に根ざした「日本人のためのがん予防法」として公表されています。これら5つの健康習慣をすべて実践すると、男性で43%、女性で37%、がんになるリスクが低くなることがわかっています。

 なかでも「禁煙」はがん予防への大きく確実な一歩です。女性では喫煙者の肺がんリスクは4.5倍にもなります。また、喫煙は「閉経」を約2年早めます。女性にとって閉経は、カラダをあらゆる面で守ってくれているエストロゲンが激減することを意味します。タバコは控えましょう。

 「節酒」の目安としては、1日あたり、ワインなら1/3本、ビールなら大瓶1本(633ml)、焼酎なら原液で2/3合、日本酒なら1合以内にとどめましょう。

 「食生活」では、減塩(目安:1日あたりの食塩摂取量7.0g未満)、野菜や果物の摂取(目安:1日あたり400g程度。野菜小鉢5皿+果物1皿)、熱いものは冷ましてから食べる、の3つを心がけましょう。熱い食べ物は食道がんや食道炎のリスクを高めます。

 身体を動かす「運動」では、1日60分の歩行(または同等以上の身体活動)と、1週間に60分の汗ばむ程度の運動が推奨されています。運動習慣をつけましょう。

 「体重」は、太りすぎも痩せすぎもよくありません。肥満度の指標であるBMI値が21〜25の範囲におさまるようコントロールしましょう。
 BMI値は[体重kg ÷ (身長m × 身長m)]で求めます。例えば、身長160cm(1.6m)で体重55kgであれば、BMI値は「21.5」となります。

 がんはいまや不治の病ではありません。がんを経験した人が会社に復職したり、入院することなく日常生活を送ったりする、がんとの共存はますます増えていくでしょう。
 しかし、ならないに越したことはありません。日頃から「5つの健康習慣」を意識して生活し、早期発見のために「健康診断」を欠かさず、「避けられるがん」は避けましょう。できることがあるのに、やらないなんてもったいない!

結論 「5つの健康習慣」を心がけて、がんを遠ざけましょう。 早期発見のチャンスである「健康診断」を欠かさずに受けましょう。 「避けられるがん」は避けましょう。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。