ニッキィ女性のからだ相談室
4月10日

平常心

「新型コロナウイルスの感染拡大に、気持ちがそわそわしてしまいます。どう予防するのが正しいですか?」
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質問 「新型コロナウイルスの感染拡大に、気持ちがそわそわしてしまいます。どう予防するのが正しいですか?」

 はじめに、私は医師ですが感染症は専門ではありません。専門外の領域に医師として意見することは控えています。医師だからこそ、中途半端な知識を伝えたくないと考えています。 
 でも、そわそわしてしまう気持ち、不安な気持ちはよくわかります。皆さんの気持ちが少しでも落ち着くことを願って、私の立場で言えることや考えていること、私自身が実践していることなどをお伝えしたいと思います。

 まず「落ち着ける人は落ち着きましょう」。春はそれでなくても、自分や家族、周囲に人事異動や生活環境の変化があり、気持ちがざわつきやすい季節です。大きな環境変化がない人は浮き足立つことなく、地に足をつけて過ごしていきましょう。どんな時にも平常心が大切です。

 平常心を保つためにできることを2つご紹介します。

 1つ目は「自分の生活の恒常性を保つこと」。朝ちゃんと起きて、歯磨きをして、体を動かして、ご飯を食べてといった日々の変わらない習慣をいつも通り行いましょう。在宅ワークが広がり、平日を家で過ごす人も増えたと思います。生活の基本を乱さないことが、心に荒波を立てないことにつながります。
 ちなみにこの春、私の生活習慣に大きな変化はありません。朝、目が覚めて、熱っぽくないか、喉は痛くないか、違和感はないか、自分の体を順に確認してから1日を始めること、そして、よく手を洗うことが加わったくらいです。

 2つ目は「あふれる情報の遮断と精査」です。心が落ち着かないときは、とりあえず入ってくる情報を減らしてみてください。テレビを消して過ごす、ネット上でのやり取りをやめるなど、しばらく情報を遮断するだけで気持ちが落ち着きます。その分できた時間で、好きな本を読んだり、映画を見たり、声を出して笑えたりしたら、気持ちが落ち着くだけでなく、明るく軽くなるでしょう。
 当たり前ですが、世の中で流れている情報を全部自分に取り入れる必要はありません。情報はどんな時期に誰が発信しているかが肝心です。よく見極めて、ふるいにかけましょう。
 私の場合、日常的な情報収集は新聞やネットニュース、SNS(交流サイト)からです。テレビはほとんど見ません。日々たくさんの情報が行き交いますが、目に飛び込んできてもスルーする、話題になっていてもすぐに飛びつかずしばらく放っておくようにしています。情報源となる数字そのものには目を止めますが、グラフ化されたものには統計上のマジックがあるので疑います。情報を見極めるためにも平常心が大切です。

 これを機にもう1つ、ぜひ皆さんに伝えたいことがあります。
 毎日を健康に暮らすためには「いかに自分の生活をコントロールできるか」が鍵になるということです。
 例えば、通勤に電車を使わず、自転車や徒歩でも出勤できるかどうか。今回の新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、通勤ラッシュという感染リスクの高い環境に身を置かねばならないか否かです。ウイルス感染に限らず、毎日繰り返す往復の移動がストレスフルなのかノンストレスなのかによって、生活習慣病発症のリスクすら異なります。

 生活には自分ですぐに変えられること、中長期的に変えていけること、変えられないことの3つがあります。仕事や職場環境、住まいなど中長期的であれば変えていけることについて、自分はどうしたいのかを考え、準備しておくことが大事です。自分の生活でストレスになることは何か? できることなら変えたいことは何か? ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
 私もかつて立ち止まり、数年越しで生活を変えました。2018年8月〈女性のQOL 健康長寿への準備〉や2018年10月〈快眠のコツ〉などもご参考に。
 この春をこれからの生活や社会を考える、いいきっかけにしていきましょう。

結論 生活習慣をよく保ち、あふれる情報はふるいにかけて、平常心で過ごしましょう。 これからの生活や社会を中長期的に変えていくことも意識しましょう。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。