ニッキィ女性のからだ相談室
7月 9日

骨盤底筋の鍛え方

「急いで小走りした瞬間に尿もれが……。まだ44歳。この先が心配です」
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質問 「急いで小走りした瞬間に尿もれが……。まだ44歳。この先が心配です」

 前回に続き、尿もれについてお伝えします。尿もれは体の構造の違いから、男性よりも女性に起こりやすく、40代以上の女性であれば誰にとっても身近な出来事です。尿もれを防ぐために、まず取り組みたいのが「骨盤底筋」を鍛えることです。

 骨盤底筋は骨盤の底にあり、ぼうこう、尿道、直腸、卵巣や子宮などの骨盤内臓器を、まるでハンモックのように下から支えています。大きさは手のひらサイズの生理用ナプキンほどで、厚みはわずか5〜6ミリ。伸縮性に富んだ薄い筋肉が重なり合っているため「骨盤底筋群」とも呼ばれます。体の深部にあるインナーマッスルのひとつで、意識しづらく鍛えづらいのが難しいところです。骨盤底筋を鍛えるための直接的なアプローチと間接的なアプローチの2つのトレーニング方法を紹介します。

=直接的なアプローチ=

骨盤底筋が自分の体のどこにあり、どんな筋肉で、それをどう動かすトレーニングなのかを想像しながら行いましょう。

❶椅子にリラックスして座り、背筋を伸ばして、ゆっくり呼吸します。
❷息を吐ききったときに、腟(ちつ)と肛門の間からティッシュを上に引き抜くようなイメージ、または、おしっこを途中で止めるようなイメージで力を入れます。これを何回か繰り返します。

このとき、お腹を引っ込めるように力を入れてしまうと、腹圧により骨盤底筋に下方への圧がかかってしまうので要注意。骨盤底筋を上に引き上げるイメージを大切にします。立った状態でもできます。

=間接的なアプローチ=

骨盤底筋と連動して動く大きな筋肉を鍛えることで、間接的にアプローチする方法です。お尻全体を覆っている「大臀筋(だいでんきん)」と、太ももの内側にある「内転筋群(ないてんきんぐん)」を動かしてみましょう。

●お尻全体とお尻の穴をキュッと引き締めて、緩めます。これを繰り返します。大臀筋と一緒に、肛門のまわりにある「肛門括約筋(こうもんかつやくきん)」が動くことで骨盤底筋にアプローチできます。

●椅子に座って膝と膝の間に小さなクッションなどを挟み、落ちないように保ちます。膝どうしを寄せるような股関節の動きに内転筋群が働き、それを通じて骨盤底筋にアプローチできます。内転筋群については、2020年1月〈筋トレ&ストレッチ〉の回も参考にしてください。

 意識することが難しく、筋トレの効果も実感しづらい骨盤底筋ですが、女性のQOL(quality of life)を左右する大切な筋肉です。誰もがいつかは直面する尿もれを防ぐために、今から鍛えておきましょう。

結論 尿もれ予防には骨盤底筋トレーニングが有効です。 意識しづらい筋肉ですが、体の構造やつながりを想像しながら鍛えましょう。 女性が長い人生を快適に過ごすための重要なポイントのひとつです。
医学博士・産婦人科専門医
スポーツドクター
高尾美穂さん

医学博士、産婦人科専門医、スポーツドクター、ヨガ指導者。婦人科医療、スポーツ、ヨガの3つの柱を軸にイーク表参道で女性それぞれのライフステージ・ライフスタイルに合った選択肢を提示し、女性の人生そのものをサポートしている。