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5月17日

消費増税後に需要喚起 減税拡充、住宅・車購入しやすく 政府・与党 年末までに制度設計(5月15日付朝刊1面、5P経済面)

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 5月15日付の日経朝刊1面で、消費税増税に向けて政府が検討している対 応策について大きく報じていました。

 このコラムでも何度か紹介していますが、消費税は、国内のほぼすべての商 品・サービスの消費に課税する税であり、所得税や法人税などに比べて税収が 景気に左右されにくいという特徴があります。また、あらゆる世代に幅広く課 税できるので、少子高齢化が進む日本でも安定的な税収が見込めます。そのた め、財政再建に向けて消費増税は以前から有力視されており、2014年4月 には税率を8%に引き上げました。

 消費増税は短期的には個人の消費活動を抑制し、景気に負の影響を与えます。 記事にもあるように、前回の増税時には、14年4~6月期の実質個人消費が 前期に比べ4.6%も減少し、7~9月期の実質経済成長率もほぼ横ばいとな りました。そのため、当初は15年10月に税率を10%に引き上げる計画で したが、安倍政権はこれを2度延期しました。引き上げは19年10月の予定 です。

 そもそも消費税率の引き上げが求められるのは、日本の国家財政が深刻な赤 字を抱えているからです。赤字規模の目安となる日本の国と地方の長期債務残 高は17年度末時点で約1093兆円。国内総生産(GDP)の2倍に達し、 先進国の中で最悪の水準です。消費増税を延期すれば、財政の健全化はますま す遠のいてしまいます。

 そこで政府は、増税が日本経済に与える負の影響を抑えるための対策を取り 入れ、消費税率を引き上げやすい環境を整えていく考えです。記事によると、 具体的には住宅や自動車の購入に対する減税策を検討している模様です。これ らは価格が高いので、消費税増税前に極力購入しようとする駆け込み需要が生 まれ、逆に増税後は買い控える人が増えるので、増税前後の経済に大きな影響 を与えてしまうからです。

 赤字削減のためには、政府の支出(歳出)の見直しも欠かせません。特に重 要なのは、最大の費目である社会保障費の抑制です。今後政府が、消費税増税 の景気への影響を抑えつつ、社会保障制度の抜本改革などの歳出削減にどのよ うに取り組んでいくのか。関連報道に引き続き注目しましょう。(waka)