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6月 7日

「設備年齢」若返り進む 本社調査 18年度投資計画、16.7%増 更新投資に勢い(6月3日付朝刊1面、7P総合5面)

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 6月3日付の日経朝刊で、日本経済新聞社がまとめた2018年度の設備投 資動向調査の結果を伝えていました。全産業の設備投資計画額は前年度実績と 比べ16.7%増で、2年連続のプラスとなりました。

 このコラムでも何度か解説していますが、「設備投資」とは、企業が生産力 の増強などを目的に、工場を建設したり新たな情報システムを導入したりする ことを指す言葉です。  企業の成長のために欠かせない支出である半面、多額の費用がかかるので、 業績が伸びる見通しがなければ増やせません。仮に工場を新設しても、それに 見合うほどの需要がなければ在庫がかさみ、設備の稼働率が下がるので収益を 圧迫します。設備投資を増やす企業は、それだけ現在の業績が好調で、先行き にも明るい見通しを持っていると考えられます。設備投資動向が注目されるの もそのためです。

 上場企業の18年3月期決算は2期連続で過去最高益を更新するなど、日本 企業の業績は好調です。設備投資の伸びはそれを反映したものと言えます。

 今回の18年度計画で目立ったのは、老朽化した設備を切り替える更新投資 でした。性能の高い最新設備を導入すれば当然、消費電力を抑えたり、時間当 たりの生産性を増やしたりできると期待できます。  さらに、人手不足が深刻化するのに対応するため、メーカーが工場の生産ラ インに組み立て用ロボットを導入するなど、省力化・自動化設備を導入する例 も増えています。

 非製造業では、小売業が設備投資に力を入れているのが目立ちます。物流企 業が倉庫での在庫管理や出荷を自動化するシステムを取り入れるといった人手 不足への対応に加えて、米アマゾン・ドット・コムのようなネット通販に対抗 する狙いでIT関連投資を増やす例もあります。この日の7P総合5面の記事 で解説していたように、例えばイオンは店舗関連の投資を6.3%減らす一方 で、物流・IT関連やデジタル・インフラ投資は93%増やす計画です。また ANAホールディングスや日本航空、JR西日本は訪日客の増加に対応するた めの設備増強に力を入れていく見込みです。  このように設備投資の狙いや背景は、業種によっても個々の企業によっても 違いますので、記事を見るときはその違いを読み取るようにしましょう。自分 の業界の大きなトレンドを把握しておくことも大切です。(waka)