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7月 5日

迫られる生産性革命 働き方改革法が成立 時間より成果に重きを(6月30日付朝刊1面ほか)

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 6月29日、働き方改革関連法が参議院本会議で可決、成立しました。政府 が今国会の最重要法案と位置づけていたもので、日経ではこの話題を翌30日 付朝刊の1面ほかで大きく報じました。

 長時間労働を是正したり、非正規社員の待遇を改善したり、労働時間に制約 のある人でも安心して勤務が続けられる働き方を取り入れたりするなど、「働 き方改革」が2016年頃から注目を集めています。日本は以前から人口減少 が進んでおり、人手不足が深刻化しています。限られた人材で日本企業が国際 競争力を高め、持続的な成長を遂げていくために、働き方改革は不可欠です。 政府は働き方改革を成長戦略の一環として位置づけており、産業界も積極的に 取り組んでいます。過労死・過労自死が社会問題となり、日本の長時間労働が 改めて問題視されるようになったことも背景にあります。

 今回の働き方改革法により、残業に対する規制は厳しくなります。企業とし ては、単に無駄な残業を減らすだけでなく、人工知能(AI)やロボットの活 用による自動化・省力化などを進めていくことが重要です。この日の1面記事 でも紹介しているように、帝人やJFEスチールが定型的な事務作業を自動化 するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入に取り組ん だり、コンビニエンスストア大手のローソンが全店で商品発注を容易にするタ ブレット端末を導入したりしています。

 法的ルールが厳しくなっても、「サービス残業」が増えてしまっては意味が ありません。長時間労働の是正を着実に進めていくには、意識改革が不可欠で す。日本では、長く働くことを企業への「貢献度」や「忠誠心」と捉える風潮 が根強くあります。欧州は正反対で、働く時間が長い人ほど能力がないと見な されると言います。今回の法施行を、意識改革の大きな契機にしていくことが 大切です。勤務時間の長さを評価するような風潮がなくなれば、働きながら育 児をしている女性の活躍を推進することにもつながるはずです。

 このほか今回の改革関連法では、正規社員と非正規社員の間で不合理な待遇 差を解消する措置や、高収入の一部専門職を労働時間の規制から外す「脱時間 給制度」などが盛り込まれました。これらにより、企業が具体的にどのような 改革に取り組み、働く現場がどう変わっていくのか。働き方改革は産業界にとっ て重要なキーワードであり、働く私たちの環境に直結する問題ですので、関連 報道に引き続き注目しましょう。(waka)