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9月13日

北海道地震、広域停電で被害広がる 最大震度7(9月7日付朝刊1面、2P・3P総合面ほか連日)

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 9月6日午前、北海道を最大震度7という強い地震が襲いました。土砂崩れな どの物理的な被害をもたらしたほか、北海道全域で大規模な停電が発生したた め交通機関などがストップし、広域の社会生活と産業活動に深刻な打撃を与え ています。北海道の発表では、10日現在で計40人が亡くなり、2716人が避難所 に身を寄せています。  被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 今回の北海道地震の影響で最も大きいのは、火力発電所の停止により電力供 給が道内全域で滞ったことでした。震源に近い苫東厚真発電所が緊急停止した ことをきっかけに、他の発電所も設備の安全確保を目的に相次ぎ停止。これが 大規模停電につながりました。苫東厚真発電所は域内の約半分の電力需要をま かなっており、1つの発電所への依存度が高かったことも大規模停電の背景に あります。8日付3P総合2面の記事でも伝えているように、他地域でもこのよう なリスクを抱えている可能性があり、対策が望まれます。

 停電が段階的に解消され、今週に入ってからは企業活動が徐々に正常化して います。しかし電力の供給力は回復しておらず、12日時点まで計画停電措置は 回避できているものの、ぎりぎりの状態が続きます。北海道はトヨタ自動車や パナソニックなど製造業の部品工場が多数あるほか、製鉄所や製油所などもあ ります。道内での生産が長期的に滞れば、他地域での生産活動に深刻な影響を 及ぼすかもしれません。

 また、北海道は乳製品の原料となる生乳の生産地で、雪印メグミルク、明治、 森永乳業の大手3社の全18工場があります。生産は再開していますが、道内や 学校給食などへの供給を優先するという事情もあり、乳製品の全国的な価格動 向に影響を与える可能性があります。

 以前も解説したように、危機に直面しても企業活動を極力継続できるように する対策のことを「事業継続計画(BCP)」と言います。東日本大震災を教訓 に取り入れる企業が増え、その後、災害を経験するたびにその内容の見直しを 図ってきました。  ただ、6月に大阪府北部で大地震が起こり、その後、西日本豪雨が河川の氾 濫や土砂崩れなど大きな被害をもたらし、さらに今回の北海道地震が発生。短 期間に連続して発生する災害への対応は容易ではありません。多種の災害が同 時期に起こるような事態にどう対応していくのか。災害大国である日本のすべ ての企業にとって重大な課題だと言えます。(waka)

経済ライター
若槻基文さん

大学卒業後、編集制作会社を経て独立。経済・金融・金銭教育分野を中心に、小学生向けからシニア向けまでさまざまなコンテンツ執筆を手掛けている。オフィステクスト代表取締役。