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10月18日

首相「消費増税へ政策総動員」 来年10月に予定通り10%と表明 軽減税率の準備促す レジ更新や店内飲食対応 消費増税延期 切迫感薄く(10月16日付朝刊1面、5P経済面ほか)

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 10月16日付の日経朝刊で、2019年10月に予定される消費税率の引き上げにつ いて、1面ほかで大きく取り上げていました。  消費税率は14年4月に8%となり、さらに10%に引き上げる予定ですが、引き 上げ時期については過去2回延期していました。安倍晋三首相は今月15日の臨 時閣議で「法律に定められた通り、19年10月1日に8%から10%へ引き上げる」 と表明。併せて、日本経済に対する増税の影響を抑えるため、さまざまな対策 を投入していく考えを示しています。

 消費税率の引き上げが求められるのは、日本の国家財政が深刻な赤字を抱え ているからです。赤字規模の目安となる「国の借金」は1000兆円を超えており、 対国内総生産(GDP)比は先進国の中で最悪水準。数字だけ見れば、欧州での 大規模な経済・金融危機のきっかけとなったギリシャの赤字よりも深刻です。 日本がすぐにギリシャのようになる可能性は低いと見られますが、政府が増税 をはじめとする財政健全化への道筋を打ち出すことは大変重要です。

 ただ、消費増税は短期的には景気に負の影響を与える面があります。一つは 「反動減」。税率引き上げ前の駆け込み需要の反動として、買い控えによって 需要が減ることを言います。  対策としては、国の予算を投じて増税後の消費を下支えする方法などがあり ます。自動車や住宅など金額の大きな買い物は、増税後には控えられがちです が、これを財政・税制面から支えていく案が検討されています。また、増税前 に消費を過度にあおるような行為を慎むよう企業に求めていく考えです。

 もう一つ、消費への影響を抑える対策として「軽減税率」の導入があります。 税率が上がっても、食料品や日用品などの必需品への支出を減らすのは難しい と言えます。低所得者ほど収入全体に占める必需品消費の割合が高くなるため、 消費増税の負担感が強まります。これを消費税の「逆進性」と言います。そこ で、増税後も酒と外食を除く飲食料品などの税率は8%に据え置く予定で、こ れを軽減税率と呼びます。

 消費者にはメリットのある制度ですが、小売店などにとっては2種類の税率 に対応するレジを置くといった対応が必要です。今のところ準備を始めている 中小事業者は少なく、増税前後には混乱が起こるかもしれません。また、ファ ストフードで食品を購入すると税率は8%ですが、店内で食べる場合は「外食」 扱いになって10%が課されます。これも混乱を助長しそうです。

 約1年後の増税ができるだけ円滑に進むよう、政府は消費者や事業者に対し 周知徹底に力を入れていくことが求められます。また、消費増税が日本経済に どの程度のインパクトを与えるかは中長期的な注目点と言えます。(waka)