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11月22日

デジタル農業 効率化加速 独バイエル、ドローンで農薬散布 大規模化を後押し(11月20日付朝刊 12P企業1面)

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 11月20日付の日経朝刊企業面で、デジタル技術の農業活用に関する話題を大 きく報じていました。医薬・農薬大手の独バイエルが、日本でドローンの農業 への利用を始めるというニュースです。

 農業は、デジタル技術の活躍が最も期待される分野の一つです。特に日本の 場合、少子高齢化の影響で人手不足が深刻化しており、農作業の省力化技術が 求められています。自動運転やロボットの技術を農機に活用して農作業を自動 化したり、カメラやセンサーの技術を使って雑草の生えている箇所だけにドロー ンで農薬を撒いたりするシステムの研究がすでに進んでいます。

 また農業技術は熟練者の経験や勘によるところが多く、しかも年1回程度の サイクルでしか経験を積めないので、人材を育てるのが難しい面もあります。 デジタル技術の活用により、重労働の負担が減るだけでなく、農業技術の細か い分析が進み、熟練者に依存していた技能の伝承や自動化が可能になるかもし れません。これまでテクノロジー活用が遅れていただけに成長の余地は大きい と考えられます。

 記事にもあるように、今回バイエルなどが日本で取り組むのは、ドローン販 売に加えて、メンテナンスの仕組み作りや農薬の散布技術の確立です。ドロー ンに搭載したカメラで果樹や雑草の生育状況を撮影し、人工知能(AI)がそれ を解析することで、ピンポイントでの農薬散布だけでなく、果樹の収穫予測ま で可能になるといいます。

 クボタや井関農機など日本の農機メーカーも自動運転トラクターの開発に取 り組んでいます。日本では2018年11月から、従来のGPSよりもはるかに高精度 の位置情報を提供する準天頂衛星「みちびき」の測位システムが本格稼働しま した。これを活用すると、育った作物を傷つけたりすることのないように、数 センチ単位の精度で農機を自動制御することが可能になります。これを機に、 日本でのデジタル農業の開発・普及が加速するかもしれません。

 デジタル農業は新たな成長産業として期待されており、企業の参入も活発で す。21日付の朝刊1面では、セブン―イレブン・ジャパンがサラダやサンドイッ チ向けの野菜を栽培する大規模な植物工場を建設するとのニュースを報じてい ました。植物工場は、デジタル技術を使って水や光、養分などを自動制御して 農作物を育てる施設のことで、これもデジタル農業の一種です。興味のある人 はこちらの記事も一読してみてください。(waka)

経済ライター
若槻基文さん

大学卒業後、編集制作会社を経て独立。経済・金融・金銭教育分野を中心に、小学生向けからシニア向けまでさまざまなコンテンツ執筆を手掛けている。オフィステクスト代表取締役。