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12月 6日

家のIoT、国内勢で開発 LINE、シャープなどと 家電操作と対話アプリ連動 (11月29日付朝刊 16P企業2面)

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 先週に続いて今回も最新のテクノロジーに関する記事を取り上げましょう。 11月29日付の日経朝刊で、LINEがシャープなどと組み、人工知能(AI)スピー カーと呼ばれる装置を中核に音声で家電を操作する仕組みを作るというニュー スを伝えていました。AIとIoT(インターネットオブシングス)の家庭での普 及が加速しそうです。

 このコラムにもしばしば登場する用語ですが、IoTとは「モノのインターネッ ト化」を意味し、パソコンやスマートフォン(スマホ)といった情報機器だけ でなく、自動車や家電製品、工場の生産設備など、さまざまな「モノ」にセン サーやコンピューターを搭載してネットに接続し、新たなサービスや利便性を 生み出していく技術の総称です。

 例えば米国の大手電機メーカーであるゼネラル・エレクトリック(GE)は、 航空機エンジンや風力発電機にIoTを導入。エンジンの稼働状況を遠隔で把握 したり、故障の兆候をつかんだりする技術を開発。すでに実用化されており、 航空会社のコスト削減に貢献しています。  産業分野のほか家庭での活用も進んでいます。スマホを使って外出先から家 電を操作できたり、車が近づいただけで自宅内のエアコンのスイッチが入った り、部屋の温度や湿度に合わせてエアコンと扇風機が連動して風量を自動調整 したりする仕組みが開発されています。腕時計や衣服にセンサーを搭載し、高 齢者の健康状態をリアルタイムで確認することも可能です。

 こうした家庭でのIoTサービスの中核になると考えられているのが、AIスピー カーです。これと家電を連携させ、人間の音声での指示を認識して、指示通り にエアコン、洗濯機などを動かすことが考えられています。  記事でも紹介しているように、LINEはAIスピーカーと家電の連携だけでなく、 家電の稼働状況などのデータをメーカーと共有。メーカーとの共同でAIを組み 込んだ製品を開発することを想定しているようです。既存の対話アプリの利用 履歴だけでは得られない家庭内の生活データを蓄積できるので、新サービスの 開発や広告、マーケティングへの応用も可能です。

 家庭内IoT市場の開拓にはグーグルやアマゾンなども力を入れており、企業 間の競争はますます激化しそうです。その結果、利便性の高い製品・サービス が登場してくることは私たちにとって好ましいことです。ただ半面、家庭のあ らゆる電気製品がハッカーの攻撃対象となったり、プライバシーや個人情報が 外部に漏洩しやすくなる危険性もあります。セキュリティー面の安全性確保は 今後の普及に向けた大きな課題となりそうです。(waka)

経済ライター
若槻基文さん

大学卒業後、編集制作会社を経て独立。経済・金融・金銭教育分野を中心に、小学生向けからシニア向けまでさまざまなコンテンツ執筆を手掛けている。オフィステクスト代表取締役。