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1月24日

トヨタ、EV挽回へ共闘 パナソニックとの電池新会社発表 パナソニック、もろ刃の剣 投資分担も利益目減り(1月23日付朝刊2P総合1面、11P企業1面ほか)

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 トヨタ自動車は1月22日、パナソニックと電気自動車(EV)などの車載電池 の新会社を2020年末までに設立すると発表。日経ではこの話題を翌23日付朝刊 で伝えたほか、正式発表に先立って20日付の朝刊1面でも大きく報じていまし た。

 このコラムでも何度か紹介していますが、近年欧州や中国を中心にEVへのシ フトが世界的に進んでおり、自動車メーカーは対応を迫られています。最初の きっかけは17年7月、英仏政府が40年に化石燃料で走るエンジン車の販売を禁 じる方針を相次いで発表したことでした。さらに世界最大の自動車市場である 中国もEVの普及を促進する政策を打ち出しています。19年から自動車メーカー に対し、EVなどの新エネルギー車(NEV)の生産を一定割合で義務づける規制 を導入する方針です。

 日本のメーカー各社は以前からEV開発に力を入れており、09年に三菱自動車 とSUBARU(当時は富士重工業)が量産車を世界に先駆けて販売。日産自動車も EVに注力していました。一方、ハイブリッド車(HV)の開発を主導してきたト ヨタはEVに対しては慎重な姿勢をとっていました。ガソリンエンジンの助けを 借りず、電動モーターだけで駆動するEVの普及は航続距離やコストなどの面で 課題が多いと考えていたためです。20年には独自開発のEVを発売する計画です が、量産体制の整備などに出遅れていました。

 EVの開発・生産の核となるのは電池技術です。現在のEVに用いられている車 載用リチウムイオン電池で、パナソニックは世界シェアで第2位(出荷量ベー ス)。17年に中国メーカーに抜かれるまでは世界首位を維持していた大手メー カーです。トヨタはパナソニックと組むことで、電池を安定的に調達し、中国 市場の開拓を狙うと見られます。  また、リチウムイオン電池に続く次世代電池の有力候補「全固体電池」の開 発を進め、EVの課題である航続距離を伸ばしたい考え。さらに、電池の規格統 一における主導権を握る狙いもあると23日付の記事では分析しています。

 日本メーカーのエコカー技術は優れていますが、技術力だけで国際競争に勝 てるわけではありません。電池のほか、充電装置についても世界的な規格統一 が必要で、ここで主導権を握れるかが勢力図を左右する可能性もあります。有 力企業の連携を契機に、日本勢が世界の自動車市場における優位性をどれだけ 確保できるか、ぜひ注目したいところです。(waka)