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1月31日

金融勢力図 データが左右  KDDI、カブコムに出資へ 投資や決済が便利に(1月25日付朝刊3P総合2面)

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 1月25日付の日経朝刊で、金融ビジネスへの異業種参入の最新動向を伝えて いました。  ソニーや流通大手のセブン&アイ・ホールディングスがそれぞれ「ソニー銀 行」「セブン銀行」を手がけるなど、以前から異業種企業が金融業に参入する 例はありました。最近の異業種参入の特徴は、スマートフォン(スマホ)を活 用した幅広い金融サービスの提供を目指していることです。

 KDDIは以前から三菱UFJ銀行などと組んでネット銀行や保険、資産運用など の事業に参入しており、さらにネット証券大手のカブドットコム証券に出資す る見通しです。決済も貯蓄も投資も保険も、あらゆる金融サービスをスマホを 通じてワンストップで利用できるようにしていく考えです。  記事でも紹介しているように、このほかソフトバンクはみずほ銀行との共同 出資により、人工知能(AI)を使った個人向け融資サービスを行う企業を設立。 NTTドコモは携帯電話の支払いなどでたまるポイントを使った投資サービスを 始めています。

 スマホが普及した結果、通信各社は以前のように端末の性能などで他社との 差を付けるのが難しくなりました。スマホを中核にした利便性の高いサービス をどれだけ提供できるかが競争力を左右するようになっており、各社が金融ビ ジネスに注力するのもその一環といえます。金融ビジネスを通じて顧客の消費 行動や資産動向について のデータが獲得できれば、それを分析して本業に活 かせるという面もあります。

 このほか、無料通話アプリのLINEも金融ビジネスに意欲的に取り組んでおり、 スマホを使った決済サービス「LINEペイ」を手がけるほか、野村証券との共同 出資により「LINE証券」の設立を計画しています。また、AIやビッグデータな どの最新テクノロジーを駆使した新しい金融サービスを「フィンテック」と呼 びますが、この分野には高い技術力と独自のビジネスモデルを武器とするスター トアップ企業の参入も目立ちます。もちろん、銀行や証券など既存の金融機関 もフィンテック関連サービスの開発に力を入れています。

 記事でも解説しているように、「金融ビッグバン」と呼ばれる大規模な金融 規制改革により、1990年代後半から異業種参入が相次ぎましたが、生き残った のはごく一部でした。  スマホが金融サービスを提供する重要なチャネルになる中、今後はテクノロ ジーを活用してどれだけ魅力的なサービスを生み出せるかがカギになります。 その成否によって、金融業界の勢力地図が大きく変わるかもしれません。既存 の金融機関が引き続き主導的地位を保つのか。新興勢力が台頭するのか。ぜひ 注目したいところです。(waka)