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2月 7日

最高益アマゾン 変調の芽 10~12月、3期連続で更新 (2月2日付朝刊 3P総合2面)

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 2月2日付の日経朝刊でインターネット通販大手の米アマゾン・ドット・コム の最新の業績動向を報じました。同社がこのほど発表した2018年10~12月期決 算は、純利益が前年同期比で6割伸びており好調を維持していますが、リアル 店舗を持つ既存の流通企業の攻勢やアジア新興国での苦戦など、懸念材料があ ることを伝えています。

 アマゾンはジェフ・ベゾス氏が1994年に創業。当初は書籍のネット通販業と してスタートしましたが、取り扱い品目を徐々に拡大するとともに、活動の舞 台を世界各国に広げていきました。

 ネット通販業はリアル店舗や在庫を持たなくて済むので、それだけ低コスト の運営ができ、従来の小売業より有利だと考えられていました。しかしアマゾ ンはあえて自前で巨大な物流倉庫を持ち、大量の在庫を抱えています。その方 が顧客からの注文に迅速に対応でき、購入履歴や売れ筋商品などの情報も自社 で把握できるからです。  当然コストがかかるので1商品当たりの利益率は低くなりますが、規模を拡 大することで収益を確保してきました。この点は、ネット上のショッピングモー ルにさまざまな小売店に出店してもらい、手数料を得る楽天のビジネスモデル とは大きく異なります。

 アマゾンはこのほか、独自の電子書籍端末を開発したり、動画配信サービス を展開したりするほか、クラウドサービス(ソフトウエアや情報ファイルをデー タセンターと呼ばれるネット上の保管場所に置き、利用者が必要なときに取り 出して利用するサービス)でも世界大手です。これらにより高い成長性を維持 し、今年1月にはアマゾン・ドット・コムの時価総額が7970億ドル弱(約86兆6 000億円)となってマイクロソフトを抜き、終値ベースで初めて首位となりま した。

 アマゾンは今後も成長を続けられるのか。今回の記事で懸念材料として挙げ ているのが、北米市場でライバル企業からの攻勢を受けていること。小売り大 手のウォルマートは、ネット注文した商品を実店舗で受け取れるサービスを拡 大。また、クラウドサービスで競合するマイクロソフトはドラッグストア大手 との提携を発表しており、これはヘルスケア分野に本格参入を目指すアマゾン に対抗する狙いがあると分析しています。

 また欧米や日本で大きなシェアを握るアマゾンも、アジア新興国ではまだ大 きな成果を上げられていません。自国産業を保護するための政府の規制がある こと、決済システムや配達網が未整備であることなどがその要因です。新興国 でもアマゾンの強みを十分発揮できるかは未知数で、注目したいところです。

 アマゾンにグーグル、アップル、フェイスブックを加えた有力ネット関連企 業4社は頭文字をとってGAFA(ガーファ)と呼ばれます。2月6日付の朝刊3P総 合2面では4社の業績動向を比較分析した記事を掲載していました。興味のある 人はこちらも一読しておくとよいでしょう。 (waka)

経済ライター
若槻基文さん

大学卒業後、編集制作会社を経て独立。経済・金融・金銭教育分野を中心に、小学生向けからシニア向けまでさまざまなコンテンツ執筆を手掛けている。オフィステクスト代表取締役。