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4月 4日

4月から変わる...残業規制強まる・食品値上げ相次ぐ (3月31日付朝刊 2P総合1面)

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ご存じのように4月1日、政府は新元号を「令和」と決定したことを発表。連 日大きな話題となりました。新年度の始まりの4月1日は、法改正などにより暮 らしに関わるさまざまな制度が大きく変わるタイミングでもあります。3月31 日付の日経朝刊では、4月からスタートする新制度などについて整理して紹介 していました。企業活動への影響が大きいのが「働き方改革関連法」の施行で す。

 昨年のこのコラムでも紹介しましたが、長時間労働を是正したり、労働時間 に制約のある人でも安心して働き続けられる社内制度を整えたりするなど、 「働き方改革」は近年の産業界の重要なキーワードになっています。

 日本は以前から人口減少が進んでおり、人手不足が深刻化しています。限ら れた人材で日本企業が国際競争力を高め、持続的な成長を遂げていくために、 働き方改革は不可欠です。政府は働き方改革を成長戦略の一環として位置づけ て法整備に取り組み、2018年6月には関連法が可決、成立。すでに法整備の前 から、多くの企業が働き方の見直しや職場改善などに取り組んできましたが、 法施行された4月以降、対応がいよいよ本格化するはずです。

 働き方改革関連法は、具体的には改正労働基準法など8つの改正法から成り ます。残業に罰則付きの上限を課す「長時間労働是正」、正社員と非正規社員 の不合理な待遇格差を是正する「同一労働同一賃金」、高収入の一部の専門職 を労働時間の規制から外す「脱時間給」の3つが柱です。  特に長時間労働の是正については、過労死・過労自死が社会問題化したこと もあって、企業は積極的に取り組んできました。ただ法的ルールが厳しくなっ ても「サービス残業」が増えてしまっては意味がありません。日本では、長く 働くことを企業への「貢献度」や「忠誠心」と捉える風潮が根強くあります。 今回の法施行を、意識改革の大きな契機にしていくことが大切です。

 もう1つ重要なのは、働き方改革を生産性の向上に結びつけることです。働 き手の数が減り、働く時間も短くした上で、なおかつ企業が成長を維持してい くには、限られた人材で高い生産性を実現できるような業務の見直しが欠かせ ません。人工知能(AI)やロボットなどテクノロジーの活用による自動化・省 力化も重要です。昨年から、定型的な事務作業を自動化するRPA(ロボティッ ク・プロセス・オートメーション)を導入する企業が日本でも増えており、今 年も引き続き大きな潮流になりそうです。

 最近は若い世代ほど、勤務先を選ぶ判断基準として「働く環境の良さ」を重 視するようになっており、働き方改革は企業にとって人材獲得競争のためにも 欠かせません。今後、個々の企業が具体的にどんな改革に取り組み、魅力的な 働く環境をどのように実現していくのか。ぜひ期待しながら注目しましょう。 (waka)