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5月23日

予想外の成長も内需陰り GDP1~3月実質2.1%増 4~6月ゼロ成長予想(5月21日付朝刊 1面、3P総合2面ほか)

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 内閣府がこのほど発表した1~3月期の国内総生産(GDP)の速報値は、物価 変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.5%増、年率換算では2.1%増 でした。2四半期連続のプラス成長です。民間の調査機関の事前予測を上回る 数字ですが、先行きには不安要素もあります。日経ではこの話題を21日付の朝 刊1面などで大きく報じました。

 GDPはその国の経済規模を表す指標です。これが前の期間に比べてどれぐら い伸びたかをパーセントで表したものを「経済成長率」といい、景気の判断材 料として注目されます。経済成長率が高ければ、それだけその国の経済活動は 活発で企業の業績も人々の給料も伸びており、景気が良い状態だと言えます。 逆に経済成長率が伸び悩んでいたりマイナスだったりすれば、景気は減速して いると判断できます。

 GDPの増減を左右する主な要素には個人消費、設備投資(企業が生産設備な どを購入すること)、住宅投資、公共投資(公共施設の建設などに国の予算を 投じること)、純輸出(輸出から輸入を差し引いたもの)があります。  今回発表された1~3月期のGDPの伸びをけん引したのは外需でした。記事に もあるように、前期比0.5%増のうち0.4%分を外需が占めます。ただ、それほど 明るい話題とは言えません。外需は上記のうちの「純輸出」で判断できますが、 今回純輸出が増えたのは、あくまで計算上、輸入の下げ幅が輸出の下げ幅より 大きかったからでした。  貿易費目で見ると、原油や天然ガス、木材や鉄鉱石などのエネルギー・原料 の輸入が減っています。企業の国内での生産活動の停滞を示している可能性が あることを記事では指摘しています。

 今後の懸念材料は、二大経済大国で日本の主要貿易相手国である米国と中国 の動向です。近年、中国経済の減速は鮮明で、米中貿易摩擦が激化すれば日本 の企業活動にさらに影を落とす可能性があるからです。さらに今年10月に実施 される予定の消費増税により、節約志向がますます強まり、国内の消費活動が 低迷するかもしれません。  ただ今のところ企業業績は好調で、雇用者の所得環境も改善しており、日本 経済を支える基礎的な条件(ファンダメンタルズと呼びます)は安定していま す。不安材料を乗り越え、景気を維持できるかが今後の注目点です。

 GDPなど景気に関する経済統計記事はやや難しそうに見えるかもしれません。 しかし景気の大きな流れを捉えておくことは、社会人にとって重要です。日頃 から関連記事に目を向けておきましょう。(waka)