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6月20日

骨太素案、消費税「10月10%」明記 最低賃金「早期に1000円」(6月12日付朝刊 1面、3P総合2面、5P経済面)

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 政府は6月11日、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)の素案を公表しま した。10月の消費税率10%への引き上げを明記し、今週21日に閣議決定される 見通しです。

 「骨太の方針」は、政府の経済財政政策の基本方針を示した文書で、年末の 予算編成に向けて、国の政策の基本的な方向性を示すものです。策定するのは、 首相が議長を務める「経済財政諮問会議」。2001年1月に発足した組織です。 この年の4月に誕生した小泉政権がこの経済財政諮問会議を中核にさまざまな 改革に取り組んだことから、注目を集めるようになりました。古くは07年の 「郵政民営化」を主導したのも経済財政諮問会議でした。

 今回の骨太の方針で注目されたのは消費税の増税でした。税率10%への引き 上げはたびたび延期され、再延期の観測もありましたが、10月に実施される見 通しです。社会保障費の増大などを背景に日本の財政赤字は深刻化しており、 健全化の道筋をつけることは重要です。ただ増税は一時的に国内の消費を圧迫 し、景気に負の影響を与える可能性が高いため、景気の動向次第では追加の経 済対策を編成する方針です。

 景気を後押しする施策として、産業界に賃金の引き上げを促す政策を導入す る方針です。具体的には、最低賃金の3%を超える引き上げを促します。最低賃 金とは企業が払うべき最低限の賃金水準のことで、その引き上げによって日本 全体の賃金が底上げされ、消費などが活発化することを期待しています。

 今後の注目点は、公的年金制度をはじめとする社会保障改革です。少子高齢 化の進展により、年金を支給される高齢者と、保険料を負担する現役世代の人 口バランスが揺らぎ、年金を支える財政が悪化しています。今回の消費増税は その対策の一つですが、それだけでは足りません。経済的に余裕のある高齢者 への支給額を減額するなどの対策が必要です。しかし、痛みを伴うような社会 保障改革の議論は進んでいません。

 折しも「老後資産に2000万円が必要」という金融庁の試算を契機に、社会保 障制度への注目度が高まっています。今後、消費増税と併せて社会保障制度に ついての報道も増えると思いますので、ぜひ目を向けておきましょう。 (waka)