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6月27日

日銀総裁「物価弱ければ追加緩和」繰り返し言及 財政出動での政策協調に含み(6月21日付朝刊 5P経済面)

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 日本銀行(日銀)は6月20日、金融政策の方針を決定する「金融政策決定会 合」を開き、現在の金融緩和策を引き続き維持することを決めました。また黒 田東彦総裁は会合後の記者会見で、2%の物価安定目標に向けた勢いが損なわれ れば「ちゅうちょなく追加緩和を検討していく」との見解を示しました。

 日銀は日本の中央銀行で、「物価の安定」を目的に世の中に出回るお金の量 を調節したり、短期金利を誘導したりする金融政策を実施します。具体的には、 物価が上昇している局面では金利を引き上げて出回るお金の量を抑え、物価を 抑制します(金融引き締めといいます)。逆に物価が下落している局面では金 利を引き下げてお金の流れを活発にし、物価の上昇を図ります(金融緩和とい います)。  金融緩和を長く続けると金利が極めて低い水準になり、それ以上引き下げる ことができず、金利の操作によって物価に働きかけるのが難しくなります。そ こで、銀行の持つ国債の買い入れなどを通じて世の中に大量のお金を供給する 「量的緩和」を実施して、物価の上昇を図っています。

 さらに2016年2月からは、銀行などが日銀に預けるお金の一部にマイナス金 利を課しました(マイナス金利政策)。お金を預ければ金利を得られるのが普 通ですが、マイナス金利は逆に預けた側が金利を払う仕組みです。銀行はわず かな金利でも企業などに貸し出した方が利益になります。こうして融資を拡大 させてお金の流れを活発化させるのが、マイナス金利政策の狙いです。

 黒田総裁は今回、追加緩和の実施について前向きな見解を示しました。つま り金利を一層引き下げたり、国債などの買い入れを増やしたりするということ です。この影響が大きいのは為替相場です。日本よりも米国や欧州の金利の方 が高ければ、これらの国々で預金などした方がお金が増えやすくなります。そ のため円を売ってドルやユーロを買う動きが増え、円安になります。逆に米国 や欧州の金利が下がると、この効果が薄れるので、円高に向かいやすくなりま す。  記事にもあるように、米国の中央銀行が金利引き下げ政策を実施するという 観測があるため、円高が起こっています。日銀の政策運営が、今後の為替相場 にどのような影響を及ぼすのかは大きな注目点で、今回の日銀のニュースが日 経紙面で大きく報じられたのもそのためです。

「日銀」「金融政策」「金融緩和」などの用語が出てくるニュースは難しく感 じるかもしれませんが、経済・産業活動への影響度はとても大きいものです。 ぜひ「自分にどのような関係・影響があるのだろうか?」という視点で記事を 読むようにしてください。(waka)