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7月 4日

しぼむ爆買い、日本企業に明暗中国の転売規制から半年 花王、おむつ販売2割減(6月28日付朝刊 14P企業1面)

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 6月28日付日経朝刊の企業1面で、「爆買い」と「越境EC」の動向に関する記 事を大きく掲載していました。

 人口減少により日本国内の消費は徐々に縮小していくと考えられます。そん な中で、近年急増している訪日外国人客は新たな消費の担い手として期待され ています。特に中国人客が、化粧品や紙おむつをはじめとする日用品を大量購 入する様子は「爆買い」として大きな話題となりました。

 最近はこの爆買いが沈静化しています。リピーター客が増え、当初ほど土産 品を購入しなくなったことも一因ですが、最大の理由は中国政府が商品の転売 に規制を課したことです。じつは爆買いは、単なる土産品の購入ではなく、中 国内で転売することを目的とした購入が大半を占めていました。化粧品や紙お むつは中国で人気が高く、それらを免税価格で購入し、EC(電子商取引)サイ トやSNS(交流サイト)を通じて転売し、多額の利益を得ていました。多くの 場合は関税を払っていないため、通常の輸入品よりも安く売れるので、買い手 にとって割安に入手できるメリットがありました。

 しかし中国政府としては関税収入が得られません。記事にもあるように、そ こで政府は2019年1月にEC法と呼ばれる法律を施行。個人でネット通販業を営 む場合も登録や納税を義務付けたのです。爆買い品の転売を取り締まり、課税 逃れを防ぐのが狙いです。爆買いが沈静化したのもこのためでした。

 とはいえ、品質の高い日本製の化粧品や紙おむつの人気の高さは変わりませ ん。そこで増えているのが越境ECです。ネット経由で海外と直接商品を売買す るECのことで、特に中国の消費者が日本の商品を購入する越境ECが伸びていま す。前述のEC法は、転売目的の購入を取り締まる一方で、登録した越境ECに対 しては税制優遇などを盛り込んでいたからです。中国政府としては、正規ルー トでの販売は活性化していきたい考えです。

 日本のメーカーとしても、越境ECは中国市場開拓のための重要な販路です。 すでに多くのメーカーが、アリババ集団など中国の通販大手の越境ECサイトに 出店したり、自社独自の越境ECサイトを立ち上げたりしています。爆買いブー ムが過ぎた今、越境ECなどを通じて海外消費者の需要をどれだけ取り込めるか が日本企業の新たな課題になっているのです。(waka)