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7月11日

ハイテク分野、米中拮抗 2018年世界市場調査 中国、9品目シェア拡大(7月8日付朝刊 1面、5P企業面)

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 このコラムでも毎年紹介している「主要商品・サービスシェア調査」の2018 年の結果が、7月8日付の日経朝刊に掲載されました。日本経済新聞社が代表的 な品目の世界シェア上位の企業を集計したものです。

 ある商品・サービスの売上高や出荷額が業界全体に占める割合を「シェア」 と言います。一時的なヒットではシェアは獲得できません。適切なモデルチェ ンジやアフターサービスなど、顧客を長く惹き付けるような努力を積み重ねて はじめて、シェアを広げることができます。大きなシェアが得られれば知名度 やブランド力が高まり、売れ行きがいっそう伸びやすくなります。シェアが重 視されるのもそのためです。

 今回の記事では、米国と中国のシェア競争の構図をクローズアップして紹介 していました。調査対象全74品目のうち、シェア首位は米国が25品目、中国が 10品目。この数だけを見ると米国が優勢ですが、中国は近年、ハイテク分野で 急速にシェアを伸ばしています。  例えばスマートフォンのシェアで3位の華為技術(ファーウェイ)、4位の小 米(シャオミ)、5位のOPPO(オッポ)は中国企業で、いずれも今回シェアを 拡大。3位ファーウェイは2位の米アップルに迫っています。このほかタブレッ ト端末では3位と5位を、携帯通信インフラ(基地局)では1位と4位を、監視カ メラでは1・2・4・5位を、それぞれ中国企業が占めました。

 ハイテク分野はアップルやグーグル、マイクロソフトなど米国企業が以前か ら強みを持ちますが、そこに中国勢が躍進してきたため、米トランプ政権は危 機感を強めています。これは近年、米中貿易摩擦が激化した大きな要因でもあ ります。

 一方、日本企業は11品目でシェア首位を獲得しました。モノづくりを支える 高度な素材や部品の分野が多く、デジタルカメラやスマホに用いられるCMOS (相補性金属酸化膜半導体)センサーではソニー、電気自動車(EV)に用いる リチウムイオン電池の絶縁体では旭化成がそれぞれ首位。このほか自動二輪、 VRヘッドセット、デジタルカメラなども日本企業がシェアトップです。ただ、 この日の企業面の記事でも触れている通り、デジカメのようにその品目の市場 規模自体が縮小しているケースもあり、首位だからといって安穏としていられ るわけではありません。今後、戦略の転換を迫られる可能性があることを記事 では指摘しています。

 みなさんも興味のある品目で、どの国のどんな企業がシェア上位を占めてい るのか、どのような順位変動が起こっているのかぜひ確認してみましょう。品 目ごとの詳しい結果は、8日付の日経産業新聞で確認できますので、興味のあ る人はそちらも見ておくと参考になるはずです。(waka)