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7月18日

逆風、トップ地銀動かす 横浜銀・千葉銀が業務提携 マイナス金利・フィンテック... 「成長力陰り 危機感」 (7月10日付朝刊 1面、11日付朝刊 3P総合2面ほか)

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 7月10日、地方銀行最大手の横浜銀行と3位の千葉銀行が業務提携で基本合意 したと発表しました。日経ではこの話題を正式発表に先立って10日付朝刊で報 じたほか、11日付朝刊でも詳報を伝えました。

 地銀は、本店を置いている都道府県を中心に業務を営んでいる銀行で、全国 に100行以上あります。長年、地域経済を支える重要な役割を果たしてきまし たが、近年は厳しい経営環境が続いています。10日付朝刊3面「きょうのこと ば」にもあるように、2019年3月期の連結決算では、上場する78の地銀のうち 約7割にあたる55行が最終減益・赤字でした。

 人口減少により貸し出しの原資となる預金量が伸びにくい上に、融資先であ る地方企業の海外進出などが進み、貸し出しも増えにくくなっています。長引 く低金利も収益を圧迫する要因です。預金者に支払う預金金利と、融資先から 得る貸出金利の差額が銀行の基本的な収益です。貸出金利を下げたら預金金利 も下げないと利幅が減ってしまいますが、預金金利を下げるには限界があるた め、低金利は収益性の悪化につながります。

 地銀が今後も生き残るためには、事業規模を拡大して預金量を確保するとと もに、これまでの営業地域にとらわれず広く収益機会を求めていくことが必要 です。そのため、2014年10月に東京都民銀行と八千代銀行が経営統合して東京 TYフィナンシャルグループが発足するなど、地銀の再編機運が高まっていまし た。

 今回の横浜銀と千葉銀のニュースは、経営統合ではなく業務提携です。どち らも首都圏を拠点とするため他の地方に比べると経営環境は良いものの、メガ バンクとの競争に勝ち残る必要があり、今回の提携に踏み切りました。互いの 強みや情報を持ち寄り、金融サービスの高度化につなげていく考えです。具体 的には遺言信託など高齢者向けの金融サービスを共同で手がけるほか、中長期 的には運用商品の共同開発も検討していく見通しです。

 ただ、提携によってどの程度収益力が高まるのかは未知数です。LINEのよう なIT(情報技術)分野の新興企業がスマートフォン(スマホ)を活用した送金 ビジネスを始めるなど、最近は異業種の企業が金融サービスに相次いで参入し ています。従来とは違った競争関係が生まれる中で、既存の金融機関が新勢力 にどう対抗していくのか、新しい金融サービス分野でも優位性を保てるのか、 などが今後の注目点といえます。(waka)