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10月24日

小売店 瞬時に価格変更 需給反映し上げ下げ ノジマ・ビックが導入 (10月21日付朝刊 1面、3P総合・経済面)

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 10月21日付の日経朝刊で、価格・料金の設定における新しい潮流である「ダ イナミックプライシング」の話題を1面トップで大きく伝えていました。

 ダイナミックプライシングとは、需給や繁閑、競合状況を反映して価格を柔 軟に変えることを言います。  これまでも、季節や曜日などで需要にバラツキが生じやすいホテルや航空券 などを中心に普及していました。最近ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ)が今年1月に導入し、Jリーグやプロ野球の観戦チケットでも採用され つつあります。来場者が少ない日に値段を下げればチケットの売れ残りを防げ ますし、逆に来場者が多い日に値段を上げれば過度な混雑を避けることができ ます。

 今回の記事でも伝えているように、さらに小売業の店舗でも取り入れる例が 増えています。サービス業のチケット代金と違って、店頭商品の1つ1つの値 付けを頻繁に変えるのはこれまでは容易ではありませんでしたが、無線通信で 商品の価格や商品情報、在庫状況などの表示を変更できる「電子棚札」を導入 することで、それが可能になりました。

 特に採用が進んでいるのは家電量販店です。ノジマはこのほど全184店で 「電子棚札」を導入。ビックカメラも2020年度中に全店で対応する予定です。 家電量販店は競合他社やネット通販との競争が激しく、わずかな価格差でも売 れ行きを左右します。他店の価格や在庫状況、売れ筋情報などを反映して価格 をきめ細かく調整し、需要を取り込んでいく狙いです。

 もちろん、値下げしてばかりでは収益にはつながりません。記事でも指摘し ているように、売り手側としては今後、システム開発やデータ解析などの技術 力を磨き、消費者に魅力を感じてもらいながら、一方で収益にもプラスになる 方策を探る必要があります。

 また消費者側にとっては、買うタイミングによって値段が変わるようになり ます。今まで以上に賢い買い物が求められることになりますが、値付けの複雑 さを嫌う人や、不公平感を感じる人も出てくるでしょう。価格戦略の新しい潮 流としてどれだけ定着していくのか、注目したいところです。(waka)