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12月19日

企業の成長 後押し ベンチャー投資 税優遇、社外の力で革新(12月13日付朝刊 1面、6P特集面ほか)

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 毎年12月には、次年度の国家予算の政府案と税制改革の基本方針である「税 制改正大綱」が発表されます。  13日付の日経朝刊では、与党が決定した2020年度税制改正大綱の内容につい て、1面のほか特集面で大きく報じました。10月に消費税率を10%に引き上げ たばかりで、今回の大綱ではさらなる増税の要素は少なく、デジタル時代の新 産業を育てるような減税案が目立ちました。

 その1つが新たに創設される「オープンイノベーション促進税制」です。  オープンイノベーションとは、企業が他の企業や大学などと連携し、技術や 知見、アイデアを取り込むことでイノベーション創出につなげることを言いま す。自動車や家電をはじめ、日本の製造業は社内で磨いた技術力を武器に世界 市場を切り拓いてきました。そこでは多くの企業が、他社の力に頼らず、あく まで自社のグループ内の技術にこだわる「自前主義」を貫いてきました。

 しかし最近は、自前主義のままでは環境変化のスピードに対応しきれなくなっ ています。例えば自動車業界が自社だけの力で、自動運転車やコネクテッドカー などに必要なセンサーを開発したり、専用のプログラムを構築したりするのは 容易ではありません。これらの分野で突出した能力を持つスタートアップ企業 と提携したり、出資したりして協力関係を強め、新技術・新サービス開発のス ピード感を高めていく必要があります。

 今回の「オープンイノベーション促進税制」は、大企業からスタートアップ 企業への出資を促す税制優遇です。大企業が設立10年未満の非上場企業に1億 円以上を出資した場合に、出資額の25%相当を企業の儲け(所得金額)から差 し引いて税負担を軽くするという仕組みです。  日本では大企業ほど自前主義が強く、オープンイノベーションに出遅れてい たため、税制優遇によって協業を促進する狙いです。20年4月から22年3月末ま での出資に適用されます。

 もちろん、税制優遇を受けてスタートアップ企業に出資したからといって、 それだけでオープンイノベーションがうまくいくわけではありません。イノベー ション創出につながるような企業間の連携ができるかが日本企業に問われてい ます。(waka)