wakaの日経、ここをこう読む
1月16日

小型車減速、日本勢に逆風 相乗り普及で大型人気 ホンダ「フィット」米撤退 日産は新興国縮小(1月13日付朝刊 5P企業面)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 1月13日付の日経朝刊で、日本車メーカーが海外での小型車事業を相次いで 縮小する見通しであることを大きく報じていました。  小型車は、日本の軽自動車や全長4.2メートル以下のコンパクトカーなどを 指します。サイズが小さいため部品配置などの設計が難しく、日本メーカーの 優れた技術力が発揮できる車種と言えます。低価格で燃費性能が高く、二酸化 炭素(CO2)排出量が少ないことから、日本の小型車はこれまで欧米市場を中 心に高いシェアを維持してきました。

 しかし、年率10%近い成長が続いてきた市場規模も2010年以降はほぼ横ばい 状態。成長が続く中大型車と比べると減速が鮮明になっています。  背景の一つとして、ウーバーテクノロジーズなどのライドシェアサービスの 広がりが挙げられます。「単なる移動はライドシェアで十分で、買うなら趣味 性の強い高級車が選ばれる」との分析をこの日の記事では紹介しています。  また、アマゾンをはじめとするネット通販やネットスーパーの普及も少なか らず影響している可能性があります。小型車は買い物用に多く利用されてきま したが、最近は食品や日用品までネット通販で自宅に届けてもらえるようにな りました。これが買い物のためのクルマ需要を減らす要因になるからです。

 こうした需要の変化に対応して、国内外の自動車メーカーが小型車戦略の見 直しに着手しています。ホンダは主力小型車「フィット」を刷新し、今年2月 に日本で発売しますが、米国や東南アジアでは投入を見送り、現行モデルの販 売も21年に終えると伝えています。また米国で多目的スポーツ車(SUV)やピッ クアップトラックなどが人気であることを踏まえ、同社の小型SUVである「HR- V(日本名ヴェゼル)」も21年の全面改良に合わせて大型化する方針です。  このほか、トヨタ自動車は19年に米国で販売した小型車「ヤリスハッチバッ ク」をマツダからのOEM(相手先ブランドによる生産)供給に切り替え、米で 販売する小型車の自社生産を終えています。日産自動車も新興国ブランドを縮 小する予定です。

 今のところ日本勢は、中国をはじめとするアジアの自動車市場で大きな成果 を出せていません。さらに小型車需要の低下により、欧米でのシェアも低下す る恐れが出てきました。CASE(コネクテッド、自動運転、シェア化・サービス 化、電動化)と呼ばれる新しい技術潮流に対応しながら、海外市場で日本の自 動車メーカーがどれだけ存在感を維持できるかは、今後の大きな注目点といえ ます。(waka)