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1月23日

中国経済、高齢化の影 昨年6.1%成長に減速 迫る「団塊」退職、しぼむ内需(1月18日付朝刊 1面、9P国際面)

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 1月18日付の日経朝刊1面で、中国経済の最新事情を大きく報じていました。 成長鈍化の背景にある少子高齢化について詳しく伝える内容です。

 中国は1978年に改革開放政策を導入して以降、年率10%を超える目覚ましい 経済成長を長年続け、2010年には国内総生産(GDP)の規模で日本を抜いて世 界第2位の経済大国となりました。しかし、その後は成長が鈍化しています。 このほど中国政府が発表した19年の実質経済成長率は6.1%と、18年から0.5ポ イントも縮小しました。

 これには米国との貿易摩擦の激化などいくつかの要因がありますが、今回の 記事でも指摘しているように、構造的な課題として少子高齢化とそれに伴う 「生産年齢人口」の減少が挙げられます。  中国政府は1980年ごろから「一人っ子政策」と呼ばれる人口抑制策を導入し ました。夫婦1組の子の数を1人に制限するという政策です。当時は人口の急激 な増加により、深刻な食料不足が起こるとの懸念があったためです。この政策 の影響で、出生数は1990年の2800万人から1999年の1400万人へと激減しました。 1人の女性が生涯に平均で何人の子を産むかを示す合計特殊出生率は、1979年 には2.75でしたが、2012~16年の平均で1.2程度まで下がっています。

 その結果、主要な働き手であり消費の担い手でもある15~64歳の生産年齢人 口は、13年の10億人をピークに減少しました。これが近年の内需低迷の大きな 要因になっています。政府は16年に一人っ子政策を改め、2人目の子を認める 「二人っ子政策」に移行しましたが、出産適齢期に当たる女性の人口が減って いることもあって、少子化の流れに歯止めはかかっていません。

 また、かつては工業やサービス業での職を求めて、農村部から都市部に移り 住む人々が大量にいて、それが都市部の高度成長の原動力になっていました。 しかし最近は少子高齢化でこうした労働力移動も縮小しています。  さらに今後は日本と同様に、高齢化によって社会保障などの歳出が拡大し、 国家財政を圧迫していくと考えられます。これも中国政府の政策運営にとって 大きな重荷となるはずです。

 世界最多の人口を国内に有することは、中国経済にとって最大の強みでした。 しかし人口動態が大きく変化したことで、同国は大きな転換期を迎えています。 中国を中心としてきた日本企業のアジア戦略も見直しを迫られています。今回 のニュースが注目されるのもそのためです。(waka)