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2月13日

上場企業の減益幅拡大 今期予想中国減速/肺炎打撃に 増税で非製造業も減益(2月11日付朝刊1面)

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 2月11日付の日経朝刊で、上場企業の決算業績に関する記事を1面で大きく掲 載していました。新興市場や親子上場の子会社などを除いた上場企業約1720社 について2月10日時点の2020年3月期の業績予想を日本経済新聞社が集計したと ころ、純利益は前期比8.4%減で、減益幅が昨年11月時点から1.6ポイント拡大 したと伝えています。

 日本では4月から翌年3月までを1年度として、3月末時点で本決算をまとめる 企業が最も多く、今は19年4~12月期の結果と、20年3月末の本決算の見通しが 明らかになる時期です。最近の日経紙面で、上場各社の決算記事が連日のよう に報じられているのもそのためです。

 企業が商品・サービスを提供して得たお金を「売上高」といいます。ここか ら原材料費や人件費、広告宣伝費など売り上げを得るために要した費用を差し 引いたものが「営業利益」。ここから、銀行に支払ったり受け取ったりする利 息や不動産の賃貸収入など、本業以外で発生した収益・費用をプラスマイナス したものが「経常利益」です。  さらにここから、その年だけ臨時的に発生した利益や損失(工場の売却益や 自然災害による損失など)をプラスマイナスして、税金を差し引いた残りを 「純利益(最終利益)」といいます。今回の記事で伝えているのは、この純利 益の動向です。

 企業業績は18年秋から悪化しており、20年3月末の本決算は2期連続の減益に なる見通しです。特に製造業が厳しく、22%の減益。米中貿易摩擦などの影響 で、中国の景気減速が長引いていることが背景にあります。米中間の摩擦の緩 和により業績は回復すると見られていましたが、新型肺炎の影響が加わり、む しろ今後悪化する可能性が出てきました。

 すでに新型肺炎の影響が決算内容に及んでいる企業もあります。記事にもあ るように、工場の稼働停止や訪日客の減少による売り上げ減などを想定して、 三菱ケミカルホールディングスや東レ、ニチバン、コーセーなどが純利益予想 を引き下げています。  一方、製造業に比べ堅調だった非製造業も、小幅な減益に転じる見通しです。 消費増税の影響が大きいと見られます。

 当面注目されるのは、新型肺炎の影響が日本の企業業績にどの程度及ぶかで す。ただし当然ながら、業績を左右する要因は業種によっても個々の企業によっ ても異なります。これから日経では、年度末にかけて決算記事が数多く掲載さ れますので、どのような要因で各社の業績が変動しているのか、しっかり読み 取るようにしてください。(waka)