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2月27日

脱24時間コンビニ 400店超 大手3社、人手不足の大都市郊外に集中(2月23日付日経朝刊 1面)

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 長年、成長を続けてきた日本のコンビニエンスストア業界が岐路に立たされ ています。日本経済新聞の調査によると、2019年10月以降の4カ月間で24時間 営業をやめたコンビニ店舗が大手3チェーンだけで400店以上にのぼることが明 らかになりました。この話題を2月23日付の朝刊1面で大きく報じていました。

 以前にも解説しましたが、コンビニは日本で独自の発展を遂げてきた流通業 態です。小さな店舗内に食品や生活必需品を中心に幅広い商品を揃え、多くの 店舗が24時間、年中無休で営業するという利便性が最大の特徴と言えます。

 しかし近年は人口減少を背景とする人手不足という課題に直面し、対応を迫 られています。記事でも紹介しているように、首都圏ではたとえ立地が恵まれ ていても、人材の主力だった学生アルバイトが確保できず、深夜営業を休止す るケースが出ています。しかも、現在の多くのコンビニチェーンでは、人件費 などのコストは各店舗が負担する契約になっており、人材を確保しようとアル バイトの時給を引き上げれば、店舗の採算性に直結します。このため各店舗の オーナーから、24時間営業の見直しを求める声が上がっていました。

 これに対応するため、大手各社は昨年から営業時間の短縮や深夜休業の実験 を実施。実験とは別に、店舗ごとの事情を踏まえて時短営業も認めており、今 回の日経の調査によれば、19年10月に24時間営業だった店舗のうち414店が今 年2月時点で夜間休業に切り替えているといいます。

 人手が集まらず、店舗オーナーが長時間労働を強いられるケースも少なくな いため、健康な働き方の確保のためにも、24時間営業の見直しは必要と言えそ うです。人件費などの経費をコンビニ本部と加盟店で負担し合うような契約の 見直しも求められるでしょう。

 とはいえ、コンビニの24時間営業見直しは、従来のビジネスモデルの根幹を 揺るがす問題でもあります。コンビニが目覚ましい成長を遂げたのは、「おに ぎり1個」からでも配送できるという緻密な物流システムを構築できたことが 大きな要因です。小さな店舗では多数の在庫を抱えられないため、1日に物流 トラックが複数回、商品を配送します。店舗ごとに営業時間が変わるようにな れば、効率的な配送スケジュールを組むのが難しくなりますし、お弁当や総菜 など食品をつくる工場の生産体制にも影響が及びます。この結果、店舗での欠 品が増えたり、生産・物流コストが上昇したりするなど、コンビニ全体の収益 性に影響を与える可能性もあります。

 私たちの暮らしに欠かせない生活インフラとなっているコンビニ業態が、さ まざまな課題を克服して成長を維持できるか、ぜひ注目したいところです。 (waka)