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3月12日

NY株、一時2000ドル超安 取引停止措置を発動 原油急落、新型コロナ巡る市場混乱に拍車 信用リスク警戒(3月10日付日経朝刊 1面、2P総合1面、3P総合2面、ほか連日)

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 今週は新型コロナウイルスに関連して、週明け早々から株式や為替、原油な どの市場に大きな動きがありました。3月9日、日経平均株価が前週末から1000 円超下がり、2万円台を割りました。終値ベースでの2万円割れは、2019年1月4 日以来のことです。3月9日は米国株式市場でも、代表的な株価指標である「ダ ウ工業株30種平均」が急落。また為替相場は円高・ドル安が進み、一時1ドル =101円台と、3年4カ月ぶりの円高水準を記録しています。

 株式や為替などの変動要因は複雑で一概には言えませんが、今回は主な要因 について簡単に解説します。

 株式、為替、原油などの価格は互いに影響し合って変動します。今回は原油 価格の急落が、他の市場の変動を加速させたと考えられます。  原油はあらゆる産業で燃料や原料として用いられるため、産業活動が低迷す れば需要が減って価格は下降しやすくなります。新型コロナウイルスの世界的 な感染拡大により産業活動が縮小しはじめており、原油価格は下がると予想さ れました。

 産油国は中東など一部の国々に限られるので、各国が協調して産油量を調整 すれば価格変動をある程度はコントロールできます。しかし、このほど石油輸 出国機構(OPEC)とロシアなど主要産油国の交渉が決裂。サウジアラビアが増 産姿勢に転じたため、原油の供給過剰が懸念されました。このニュースを受け て原油価格が急落。米原油先物相場は9日に一時、1バレル27ドル台と前週末か ら34%下落したのです。

 すでに新型コロナウイルスの影響で企業業績の悪化が懸念されていましたが、 原油安はそれに拍車をかけました。業績が悪くなると予想されれば、株式を売 り払う投資家が増え、株価は下落します。日経平均株価やダウ工業平均が下落 したのもそのためです。

 為替相場の変動要因もさまざまですが、より安全と考えられる国の通貨が買 われる傾向があります。日本は対外資産が対外債務を上回る対外債権国のため、 以前から円は「安全資産」とみなされてきました。今回も世界景気の先行き不 安が高まり、安全資産の円が買われ、円高・ドル安になったと考えられますが、 これは今後も続くかはわかりません。

 国内の新型コロナの感染拡大には引き続き警戒が必要ですが、日本以上に米 国や欧州などで感染が広がり、世界的な経済活動への影響が懸念される段階に 入りつつあります。特に為替相場や原油価格の動向は日本企業の業績に直結し ますので、今後の報道にぜひ注目してください。(waka)