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4月 9日

経済対策 事業規模108兆円 中小に最大200万円 (4月7日付日経朝刊1面、8日付1面ほか)

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 政府は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急経済対策を閣 議決定しました。正式な決定に先立って日経ではこの話題を7日付の朝刊1面な どで大きく報じました。

 政府が景気浮揚などを目的に打ち出す一連の政策を総称して「経済対策」と 言います。税金などで集めた国の予算を投じて需要を生み出す「財政出動」の ほか、税金の支払いを猶予して企業の負担を軽減したり、規制を緩和して経済 活動を活性化したりする政策などが含まれます。

 今回の経済対策の事業規模は約108兆円で過去最大です。このうち、国の予 算を投じる財政出動が最も直接的な効果が大きく「真水」と呼ばれます。今回 の財政出動は約39兆円で、これも過去最大規模です。

 過去にもバブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災など景気に大きな打 撃となる出来事がありましたが、今回はウイルス感染症の拡大により、世界各 国がいっせいに経済・産業・社会活動の縮小を余儀なくされるという異例の事 態です。日本では7日に7都府県を対象に緊急事態宣言が発令され、さまざまな 活動がさらに縮小する見通しです。

 そこで今回の経済対策では、目先の景気を良くするというよりも、まず新型 コロナ問題の収束まで、国民の不安感を軽減するような措置を実施。その後、 感染が収束してから別途、観光産業や飲食業などの業績回復を図る支援策を実 施していく考えです。

 直近で影響の大きい施策は、中小企業や個人事業主などへの緊急支援策です。 経営状態は健全なのに、自粛によって資金繰りが悪化して経営が行き詰まって しまうのを防ぐのが狙いです。一定条件の下で、中小企業に最大200万円、個 人事業主に最大100万円を給付します。さらに民間金融機関が自治体の融資の 枠組みを使って、実質無利子でお金を貸し出す仕組みを設けます。時間が経て ばそれだけ企業の資金繰りは悪化してしまうので、どれだけ円滑に資金を供給 できるかが注目されます。  また、家計向け現金給付は月収減などの要件を満たした世帯に30万円を支給 するほか、児童手当の給付を子供1人あたり1万円上乗せし、子育て世帯の支援 も実施します。

 もちろん新型コロナによる健康被害を抑えることも重要です。政府は今回の 経済対策の枠組みで、新型コロナへの治療効果が期待される抗インフルエンザ 薬「アビガン」や、人工呼吸器、人工肺の増産を支援します。重症化を防ぎ、 人々の不安感が少しでも和らげば、経済活動への負の影響も軽減されると考え られます。        *       *       *  前述のように今回の新型コロナ感染症は過去に類を見ない世界的な事態となっ ており、読者のみなさんも先行きが見通せず不安が募りがちだと思います。緊 急事態宣言を受けて外出自粛や在宅勤務などが求められるなか、一人ひとりが 自分のできることを考え、地道に行動していきましょう。参考になる情報はこ のコラムでも随時ご紹介していきます。(waka)