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5月28日

外食 脱・店舗に活路 デニーズ、宅配専用の厨房/塚田農場、冷蔵品通販に的(5月25日付日経朝刊 5P企業面)

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 5月25日付の日経朝刊企業面では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で苦
境にある外食企業が宅配や通販を強化しているとの話題を伝えていました。

 ファミリーレストランのデニーズを運営するセブン&アイ・フードシステム
ズは今月11日から、東京都品川区内のホテルにデニーズの宅配専用の厨房を開
設しました。3人で調理から梱包まで手がけ、宅配代行サービスで配送する仕
組みです。
 デニーズは以前から既存店の約6割の店舗で宅配を手がけていましたが、注
文が増えると人手が足りず、店舗での接客対応などに支障が出る恐れがありま
した。専用厨房を開設することでこうした課題をクリアし、宅配注文により迅
速に対応していく狙いです。

 また居酒屋「塚田農場」を運営するエー・ピーカンパニーは4月末に看板メ
ニューの冷蔵食品の通販を始めました。店内で調理したものを持ち帰ってもら
う場合、消費期限は1日程度ですが、冷蔵品の通販であれば3日間まで延ばせま
す。冷凍品より風味も保ちやすいという利点もあります。持ち帰りや宅配に力
を入れる居酒屋が増える中、こうした違いを打ち出して販売増につなげたい考
えです。

 お寿司の出前やピザのデリバリーなどは昔からありますが、最近になって食
品の宅配市場は拡大傾向にあります。2016年9月に米ウーバーテクノロジーズ
が宅配代行サービス「ウーバーイーツ」のサービスを日本で開始したことが大
きなきっかけでした。バイクや自転車を持つ一般人を配達要員として組織化し、
空き時間に料理を運んでもらう仕組みで、消費者としては、自前の要員を持た
ない飲食店の料理をデリバリーしてもらえるメリットがあります。

 ウイルスの感染拡大に伴う営業自粛要請で売り上げが落ち込む外食企業にとっ
て、宅配事業は重要な収益事業です。緊急事態宣言が解除されても、感染への
不安感は残るため、外食店を訪れる人々がすぐに増えるとは限りません。一方
で在宅勤務が今後も定着すれば、食の宅配需要は引き続き伸びていく可能性が
あります。コロナ後の「新しい生活様式」を踏まえて、外食企業の宅配シフト
はますます加速するかもしれません。

 とはいえ、食の宅配に参入する企業が増えれば、それだけ競争が激化します。
上述したエー・ピーカンパニーの冷蔵品通販の例のように、どれだけ魅力的な
商品・サービスを打ち出せるかがカギになるはずです。(waka)