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7月 9日

国内景気、回復力欠く 日銀6月短観 自動車や機械低調、小売りは復調の兆し(7月1日付夕刊 1面、2日付朝刊 3P総合2面)

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 日本銀行(日銀)は7月1日、6月の全国企業短期経済観測調査を発表しまし
た。大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス34で、リーマ
ンショック後の2009年6月以来、11年ぶりの低水準となりました。この話題を
日経では発表当日の夕刊1面や翌2日の朝刊総合2面で大きく伝えました。

 全国企業短期経済観測調査は「日銀短観」とも呼ばれ、日本の代表的な景気
指標の一つです。その特徴は、企業経営者へのアンケート結果をもとにした指
標であること。日銀が四半期ごとに全国約1万社を対象に実施し、回答を基に
集計・発表します。多くの景気指標の中でも、経営者の実感をより色濃く反映
した指標です。
 また、調査実施から集計・発表までの期間が比較的短い(1カ月程度)ことも
特徴です。その意味で、経営者の景況感というかたちで直近の景気動向がわか
る指標でもあります。

 日銀短観の中で最も注目度が高いのが、企業の景況感を表す業況判断指数
(DI)です。景況感について「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つから
選んでもらい、「良い」の割合から「悪い」の割合を引いたものです。

 企業の規模別・業種別に結果を公表しており、今回の6月調査では、大企業・
製造業のDIは上述のようにマイナス34で、前回調査からの悪化幅は過去2番目
の大きさ。非製造業はマイナス17で、悪化幅は過去最大でした。中小企業の景
況感も悪化しています。やはり新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済
の停滞を如実に反映した結果となりました。
 短観では3カ月先の景況感を示す「先行き判断DI」も公表しています。大企
業製造業でマイナス27、非製造業はマイナス14で、どちらも現状からわずかに
上昇しますが、大幅なマイナスであることに変わりはありません。

 当面は多くの業界が苦戦を強いられそうですが、2日付の記事でも指摘して
いるように、かつてのリーマンショックと異なる点としてデジタル投資を追い
風にする企業が出ていることが挙げられます。外出自粛やテレワーク要請に伴
い、オンライン会議システムやペーパーレス化のためのオンライン契約システ
ム、個人向けではネット動画配信サービスなどの需要が伸びています。今回の
6月短観でもソフトウエア投資額の計画に伸びが見られました。ネットサービ
スやソフトウエアを提供する企業の業績の伸びが期待できるほか、パソコンや
半導体をつくるメーカーなどにも好影響が及ぶと考えられます。

 前回のコラムでもお伝えしたように、今はネガティブな企業ニュースに目が
向かいがちですが、コロナ禍の中でも着実な成長を遂げている企業は少なくあ
りません。そうした企業の記事にぜひ目を向けてください。このコラムでも随
時ご紹介します。(waka)