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8月27日

ビックカメラ、45分で配達 電子棚札360万枚を活用 店が倉庫 価格も柔軟(8月20日付日経朝刊 15P企業2面)

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 家電量販大手のビックカメラが8月末までに直営全45店で電子棚札(たなふ
だ)を導入するとの話題を、20日付の日経朝刊企業2面で大きく報じていまし
た。ネット通販サイトと実店舗を連動させたサービスを強化するほか、価格設
定に「ダイナミックプライシング」を取り入れて、米アマゾン・ドット・コムな
どに対応していく考えです。

 電子棚札とは、これまで主に紙製だった商品棚の値札をデジタル化したもの
で、価格などの商品情報を無線通信で瞬時に書き換えることができます。値札
を付け替える手間が省けるので、人件費の大幅な削減が可能です。ビックカメ
ラは今回の電子棚札の導入により、年53万時間も費やしていたという値札交換
作業がほぼ不要になり、空いた時間を接客サービスの強化に充てていく考えで
す。

 また同社は電子棚札を活用することで、都心の店舗を倉庫代わりにして、注
文から最短45分で配達できる仕組みを構築する計画です。顧客が同社のネット
通販サイトで注文すると、店頭の電子棚札のランプが点灯。それを目印に販売
員が該当商品をピックアップし、訪れたドライバーに引き渡す仕組みです。都
心の店舗から直接発送するので、郊外の物流センターから商品を配送するアマ
ゾンなどに比べて、はるかに短い時間で配送できます。すでにビックカメラは
6月からこのサービスを東京・渋谷の店舗で試験的に始めており、これを直営45
店に導入する予定です。

 さらに同社は、需給や競合状況を反映して価格を即座に変える「ダイナミッ
クプライシング」も強化します。家電量販店は競合他社やネット通販との競争
が激しく、わずかな価格差が売れ行きを左右します。しかも最近は家電量販店
などで商品の実物を確かめた上で、価格の安いネット通販で商品を購入する人
が増えています。これを防ぐには、他店の価格設定を見ながら店頭の価格を頻
繁に見直す必要がありました。電子棚札の導入でこれも可能になります。

 ビックカメラの電子棚札導入は、デジタル技術を活用して実店舗を持つ強み
を高めていく施策の一例と言えます。こうしたデジタル戦略により、小売業者
にとって大きな脅威となっているアマゾンにどこまで対抗していけるのか、非
常に興味深いところです。(waka)