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9月24日

世界初の量産型EV 三菱自「アイ・ミーブ」終了 3つの課題 世界戦略/内向き固執/モノ中心の発想(9月19日付日経朝刊 1面、11P企業面)

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 9月19日付日経朝刊では、三菱自動車が世界初の量産電気自動車(EV)とし
て2009年に売り出した「アイ・ミーブ」の生産を20年度内にも終了するとの記
事を1面ほかで掲載していました。

 ガソリンエンジンではなく電動モーターでクルマを動かすアイデアは昔から
ありましたが、ガソリン車並みの航続距離を出せる電池技術がなかったため、
なかなか実用化しませんでした。1990年代に入って、従来の蓄電池よりも出力・
容量を大幅に向上させたリチウムイオン電池が登場したことにより、EVの開発
も本格化。2009年に世界に先駆けて日本の三菱自動車が量産EVの販売を開始し
たことは、大きな話題となりました。

 その後は各国の大手自動車メーカーや、米テスラのようなベンチャー企業が
相次いでEV市場に参入し、今では世界のエコカーの大きな潮流になりました。
特に燃費規制の強い欧州を中心に普及が進んでいます。

 市場が拡大し、参入企業が増えれば、当然競争は激しくなります。アイ・ミー
ブは性能や価格面でテスラ製のEVなどに劣り、残念ながら販売を伸ばすことが
できませんでした。
 不振となった最大の原因は、EVの航続距離や販売価格を左右するリチウムイ
オン電池への投資を怠ってきたことだと見られます。EVの場合、電池の蓄電量
をどれだけ増やせるかで航続距離が決まります。しかも、車載用リチウムイオ
ン電池は生産コストがまだまだ高いので、量産体制を整備して低価格化を図ら
ないと、EV自体の販売価格も下げることができません。記事でも指摘している
ように、テスラがパナソニックなどと組んで大規模な生産体制を整えてきたの
に対し、三菱自動車はグループ企業からの調達にこだわった結果、量産化や技
術開発に遅れをとってしまいました。

 EVの場合、技術革新のスピードが速く、しかもガソリン車とはまったく異な
る電動化技術やソフトウエア開発力などが求められるため、自動車メーカー単
独の技術力や資本力で対応するのは限界があります。
 自動車に限らず、日本のモノづくり企業は技術の自前主義にこだわり、他社
との連携に出遅れがちでした。しかし最近では、ホンダが中国の車載電池最大
手である寧徳時代新能源科技(CATL)への出資を決めるなど、EV開発をめぐっ
ての提携や協業が増えています。三菱自動車も新たな軽自動車型EVを日産と共
同開発中です。こうした動きは今後ますます拡大する可能性があります。
(waka)