仕事ゴコロ・女ゴコロ
5月

意欲ある人が「オンラインワーク」で活躍できる世の中に

ビズアシ 取締役

上田 愛奈(うえだえな)さん

2010年、エムティーアイ入社。モバイルコンテンツの企画・運営などに従事。15年、クラウドワークスへ。16年より新サービス「ビズアシスタント オンライン」を企画・運営。18年、子会社としてビズアシを設立。徳島県出身。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ライフステージの変化や個人の人生観にあわせ、多様な働き方を選択できるようになってきた。場所や時間に縛られないオンラインワークの普及を掲げ、企業と働き手をつなげるクラウドワークス。そこで育児などのため在宅ワークを望む人たちにバックオフィス業務をコーディネートする新サービス「ビズアシスタント オンライン」を立ち上げ、子会社設立へとプロジェクトを率いた上田さんに話を聞いた。

2019_5_collage.jpg

オンラインワークでつながる企業と個人をマッチング

 仕事を依頼したい企業と仕事を請け負いたい個人が、オンラインでつながりビジネスを進めるクラウドソーシングが広がっています。企業と個人の出会いの場を提供するプラットフォームサービスのひとつが、クラウドワークスです。

 私はその新規事業として「ビズアシスタント オンライン」というサービスを立ち上げ、現在は子会社として独立、取締役をしています。

 クラウドワークスが企業と幅広いスキルをもつ個人が直接出会えるプラットフォームであるのに対し、ビズアシスタント オンラインは、秘書や総務などバックオフィス業務に特化し、企業と個人をつなげるマッチングサービスです。私たちが仲介者となって企業に人材をコーディネートする点が、クラウドワークスとは異なります。

隣の席にいるのと何も変わりません

 ビズアシスタント オンラインに登録している個人は、20代から40代半ばの女性が8割を占めます。スキルもあり働く意欲もあるけれど、育児などによって外に働きに出るのは難しいという人が大多数です。夫の赴任に帯同し海外在住の人もいます。

 サービスを利用する企業は、当初はIT系やベンチャー企業が多かったですが、最近は大手メーカーなども増えてきました。企業の人事担当者には「働き方改革と言われても何をしていいかわからない」という方もいて、アウトソーシングによって社員の残業を減らしたり、オンラインワークを取り入れることで雇用形態を柔軟にできたりすることなども説明します。

 オンラインワークは、スタッフが隣の席にいるのとなんら変わりなく業務が進みます。同じ社屋の別のフロアにいるよりも、むしろ密にコミュニケーションが取れるかもしれません。アウトソーシングだから経費が削減できる、ネット経由だと信用できない、といったメリットやデメリットを比較検討するという段階の話ではなく、オンラインワークはすでにスタンダードなワークスタイルのひとつです。

オンラインワークはお小遣い稼ぎじゃない

 私がオンラインワークをもっと広げたいと思う理由はシンプルです。スキルもあり働く意欲もあるのに、毎日フルタイムで出勤できないために、思うような仕事ができず能力を発揮できない。そんな人たちが活かされないのは宝のもちぐされ。社会としてもったいないです。

 また、育児休暇などによるキャリアのブランクをなくしたいという思いもあります。オンラインで仕事を続けられればキャリアは途切れません。オンラインの仕事=気軽なお小遣い稼ぎではありません。むしろ、コミュニケーションスキルが求められ、相手の意図を汲み取る力がないとビジネスが成り立たないシビアな一面もあります。

 実際に、企業の第一線で働いていた人たちが在宅のオンラインワーカーとして活躍しています。育児をしながらでもタイムマネージメントは完璧で、限られた時間で集中して成果を出していくスキルは素晴らしいです。

 所属や雇用形態に関係なく「仕事をしたい」「働きたい」という意欲のある人が、もっと活躍できる世の中になるべきだと思っています。

社会に必要なものをつくるために29歳で転職

 クラウドワークスの前は、エンターテインメント系のIT企業で働いていました。アニメや映画、ゲームが好きで選んだ仕事でした。エンターテインメントは人生を豊かにしてくれる素敵なものです。でも生活必需品ではないため、一生懸命作っても使われないサービスがあることに、少しずつもどかしさを感じるようになりました。

 人の生活になくてはならないもの、社会に必要なものをつくる仕事をしたいと思い、クラウドワークスへ転職したのが29歳の頃です。

 新しい職場でWEBディレクターとして働き始めて、まわりの人たちが優秀なことに驚きました。自分の存在意義を見出せない日々が続きましたが、それならばとにかくがむしゃらになんでもやってみようと決め、上長に「私に負荷をかけてください」とお願いし、仕事漬けの日々を過ごしました。

ビジネスモデルが見えたら、すぐにプロジェクト始動

 大量の仕事を受け持ち小さな実績を重ねていたところ、上長から「そろそろ何かインパクトのあるプロジェクトを考えてみたら?」との助言が。それは私も望んでいたことでした。

 前後して新事業のヒントになる出来事が起こりました。クラウドワークスの企画のひとつとして秘書の仕事に特化したページを作ったところ、応募者が殺到したのです。バックオフィスを担える人材が世の中に眠っていることを感じました。

 そこですぐに、秘書や総務などの業務をオンラインワークで外注したい受け皿となる企業はいるだろうかと、1ページだけの簡単な専用WEBページを作り公開。すると通常の5〜6倍もの問い合わせがありました。需要の多さに驚くとともに、ビジネスとして成り立つ道が見えました。

 そこからは、とにかくスピーディーに動きました。チームを組んでプロジェクトとして始動させ、法人営業を展開。新サービスゆえにはじめはトラブルだらけでしたが、1〜2カ月は火消し期間と腹をくくり「一日一改善」を合言葉に、走りながらサービスをブラッシュアップしていきました。

 おかげで企画を考えた日から半年後には、事業として軌道に乗り目標数値もクリア。その後、初の分社化プロジェクトとして独立を迎えるまでに成長し、今春には大阪に事業所も新設しました。計画性よりスピードを優先してとにかく走ったというのが本音ですが、インパクトのある新事業を立ち上げることができ嬉しいです。

仕事ってなんて楽しいんだろう!

 私は学生時代、得意な勉強やスポーツもなく自分が輝く瞬間を感じることなく過ごしました。社会人になり働き始めて感じたのが「仕事ってなんて楽しいんだろう」という思いでした。打ち込めるものがあり、様々なことを考えて自分で企画したものが形になっていくことに感動しました。

 今も手探りしながら何かを形にしていくことが楽しくて仕方ありません。以前はプレーヤーとしての楽しみだけでしたが、今はマネジメントする立場として人を育てたり、事業全体を考えたりする楽しみも加わりました。新しいステージを迎えています。

 大切にしているのは「後悔先に立たず」という言葉。これは高校時代から変わりません。「あの時、ああしておけばよかった」と思いたくないので、こうと決めたら考え抜き、突き進み、やりきります。自分が納得できれば悔いは残りません。そのためにはやりきることが大事です。時代錯誤かもしれませんが、やりきる根性は必要だと思っています。

いずれはハワイで暮らしながら日本とオンラインワークを

 無我夢中で走る一方、飽きっぽい一面もあり、分社化から約1年半が過ぎそろそろまた新しいことにも興味が湧いています。いくつかのアイデアを温めながらビジネスとして花開きそうなタイミングを狙っているところです。

 30代半ばを迎え、私自身のライフステージも変わっていくと思います。ただ、これからも働くことはやめません。私にとって仕事と趣味は地続きです。いつどんな形になるかわかりませんが、将来的にはもう一度大好きなアニメやゲーム、映画などエンターテインメント系の仕事に携わりたいと思っています。ダイビングも好きで、夢はハワイで暮らしながら働くこと。南の島からオンラインで日本とつながり、仕事を続けられたら最高です。

取材後記

上田さんの仕事への高いモチベーションのルーツは母親にあるといいます。「私が高校生の頃、母が1人で歯科医院をオープン。17年前に口臭の専門クリニックというニッチなビジネスを始めたんです」。その姿から1人でも生きていく力をつける大切さを学んだそう。そんな、仕事に情熱を傾ける若き取締役のお気に入りアニメは『天元突破グレンラガン』。「主人公たちが交わす熱い台詞が最高」とのことです。

「ビズアシスタント オンライン」のホームページはこちら https://bizasst.co.jp