Nikkey’s ~ここだけのハナシ~
11月

「私たち大人が胸を張って楽しく働くことが大事」

キャリアコンサルタント。47歳

山本桂子さん

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キャリアコンサルタントの国家資格を手に活動中

 9年間の専業主婦時代を経て、30代半ばからマナー講師の勉強を開始。キャリア・カウンセラーの民間資格を取り、フリーでカウンセリングの仕事を続けてきました。2016年に民間資格が統合されて国家資格として制度化され、私も今は国家資格を持ったキャリアコンサルタントとして活動しています。

 具体的にはハローワークや大学、一般企業で、就職に向けたキャリアの授業や女性向けのキャリアデザインセミナーなどを開催しています。様々な場所でそれぞれの受講者に合わせてお話しさせてもらっています。

社会の一員としてここにいます!と声をあげたかった

 専業主婦になる前は、数年間リース会社の営業職として働いていました。寿退社して3年目、夫が実家の家業を継ぐことになり住み慣れた町を離れました。新しい環境での生活と同時に慣れない子育てもスタート。育児サークルなどには参加していたものの、気心知れた友人も周囲にいなく、孤独を感じていました。

 母としての立場は確立されていたものの、居場所が見つからない...。「私も社会の一員としてここにいますよー!」と声をあげたくなるような、世の中から切り離されてしまっているような気持ちでした。ホームページを作ったことでかろうじて社会とのつながりを感じることはできましたが、やはり外へ出て働きたいと思い、子供たちが幼稚園生の頃に仕事を探し始めました。

 ところが、地方だったこともあり、なかなか仕事が見つからず...。県主催
の「女性起業塾」というものを受講しているうちに、セミナー講師というお仕事っていいかも!と思い、ビジネスマナーの勉強を始めたのです。マナーの先生について約3年みっちり勉強しました。

つい引き受けてしまったセミナーで講師デビュー

 初めての講師の仕事は忘れもしません。まだマナー教室の生徒だった頃に、「マナーを教えるセミナーをやってくれませんか?」と嬉しいお話をいただき、つい引き受けてしまったのです。6時間×2日間というなかなかボリュームのあるセミナーでした。

 もともとあがり症なうえに、講義をする準備もできていないのに、どうしよう、どうしよう...と慌てました。マナーの先生にも相談しサポートしてもらい、話し方講座などにも通い、セミナーで話す一字一句をシナリオに起こし(笑)、なんとか乗り切りました。無事2日間が終わり先生に電話したことを覚えています。

家業を手伝わず、外へ働きに出ることへの葛藤

 講師になりたての頃は、月に2〜3本仕事が入れば万歳!だった私も、今では毎週泊まりがけで遠方の大学へ通うまでになりました。毎週2日間、家を空けることを、夫も子供たちも理解してくれています。周囲の協力がなかったらこのように仕事はできません。感謝しています。

 実は働き始めた当初は、夫の家族への申し訳ない気持ちや葛藤がありました。それは、仕事をするならば家業を手伝うのが自然の流れだったのに、外へ働きに出たからです。ダメとは言われないものの、なんだか後ろめたい気持ちが大きかったですね。でも、今こうして大学や企業でセミナー講師として頑張っていることを、夫の家族も喜んでくれています。とても嬉しいです。

「ドバイか、東京か」という驚きの二択

 私は感覚的に行動するタイプで、いいなと思ったことはやるようにしています。何か気になることを抱えたまま過ごすくらいなら、やってしまおう!と思います。

 以前も、かねてから気になっていたマインドマップの講師という方に出会い、どうしたらマインドマップを学べるかを尋ねていたところ、後日連絡をいただくことができました。ただ、それが「マインドマップの創始者のセミナーが開催されますよ。ドバイか東京、どっちがいいですか?」と言われ、あまりにグローバルな二択に驚きました(笑)。それなら東京でしょ!と、上京。4日間の講義を受けてきました。時間もお金もかかりましたが、学べてよかったです。おかげでマインドマップの知識もセミナーに取り入れ生かすことができています。

大人が胸を張って楽しく働くことが大事

 大学では1年間かけてキャリアの授業を行っているのですが、最近の学生たちは真面目で控えめな人が多く、目立つことを嫌う傾向があるように感じます。そして、残念なことに、働くことに対してあまりいいイメージを持っていないようです。ブラック企業などのニュースが多いことも影響していると思います。

 私はセミナーを通じて、働くことの楽しさや魅力を伝えたいと思っています。否定的な気持ちで就職活動をしたり社会に出ていったりするのは、もったいないし悲しいことです。若い人たちがいいイメージを持って社会に出ていけるように、まずは私たち大人が胸を張って働くことが大事。これからも笑いながら楽しく仕事を続けていきたいと思います。皆で楽しくがんばりましょう!

ニッキィズ一問一答

Q.

今までに買った一番高価なものは何?

A.

「夫婦で買ったものでは、家。私個人では、大学時代に買った中古の軽自動車が大きな買い物です」

Q.

近頃、衝動買いしてしまったものって何?

A.

「観葉植物を2鉢。7〜8年ぶりに買いました。久しぶりに家に植物があり嬉しいです。元気に育ってほしいです」

Q.

健康や美容のために心がけていることは?

A.

「野菜をたくさん食べるようにしています。1人で食事する時は、山盛りのブロッコリーやアスパラをレンジで温めてポン酢や塩でもりもり食べることもあります」

Q.

お金にかえられない元気の源は?

A.

「子供たちです。大好きです!」

Q.

みんなに教えたいおすすめの本を一冊!

A.

「『ヨシダ、裸でアフリカをゆく』/ヨシダ ナギ。やる気になったらなんでもできる!と思わせてくれる1冊です。とにかくパワフルで元気になれます」

取材後記

「キャリア・カウンセラーになるための勉強が、自分の人生を振り返る良いきっかけになった」と言う山本さん。「家事や子育てという主婦の仕事が、実は同時多発的に様々な仕事をやりこなすスキルを育んでいたということに気がつき、専業主婦だった自分を肯定できたんです」。この肯定感が大きな変化になったそう。ブレイクスルーの種は案外自分の中にあるのかもしれませんね。今年も残りわずかです。皆さん、忙しい年末ですが自分自身の棚卸しもお忘れなく!