Nikkey’s ~ここだけのハナシ~
5月

誰もがどんな理由でも働きやすいように

金融 37歳

中嶋玲子 さん

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キャッシュレス社会って便利です

 皆さんはデビッドカードやクレジットカード、インターネットバンキングを利用していますか? 私は金融機関でキャッシュレス化に関わる仕事をしています。政府は2020年にむけてキャッシュレス社会の実現を推進しています。

 私自身、今の仕事をする前はインターネットバンキングに対して「よくわからないしインターネットで振り込みってなんだか不安・・・」と思っていました。でも使い始めて「今まで店頭まで行っていた時間と労力は何だったんだろう!」と便利さを感じています。もし尻込みしている方がいたら利用してみてください。楽なうえ、自由になる時間が増えます。

キャリアを再構築するために

 私は前職で12年、現職で3年半、金融業界で計15年以上働いています。転職したのは34歳で、転職の理由は2つありました。前の会社は3年ごとに部署を異動するのが通例でした。会社の根幹となる部署を一通り経験し「次はマネジメントをしながらの2サイクル目」となった時、業界の細部を深堀りしていくより、業界を俯瞰する仕事をしていきたいと感じました。

 もう一つの理由は、12年間続けてきた仕事で相応のポジションを得てみたいと思ったからです。私は結婚を機に仕事よりも家庭を優先して働いてきました。無理なく持続可能なペースで仕事をしていきたいと思っていたので、ポジションを得ることに消極的だったのですが、30代前半で離婚。守るべき家庭がなくなったら自分の状態がとても中途半端に感じ、自分で自由に選択できる環境になったのでキャリアを見直したいと思ったのです。

プレッシャーも覚悟の上で転職

 当時、同期の男性たちはすでに2つくらい上のポジションになっていて、業務上のアウトプットに大差はなくても肩書きが違いました。家庭を優先してきた私が彼らと同じ立場になるには制度上、4〜5年はかかる・・・。それならば転職してキャリアアップしようと次の場所を探し始めました。

 幸いにもこれまでやってきた経験がいかせる理想的なポジションの求人に出合うことができました。プレッシャーは感じましたが、キャリアの足踏みをしていた数年間を埋めるには最適でした。「新しい世界でイチから頑張ろう!」と気合いを入れて転職したのです。

時代の追い風もあり新天地でキャリアアップ

 会社規模は前職の10倍以上、中途採用が少なく序列がしっかりしている組織で、もちろん知り合いは誰もいません。はじめの半年は会社の文化に馴染むことに徹した、様子見の日々でした。"修行期間"と思い、長時間労働もいとわず目の前の仕事に一生懸命打ち込むうちに、徐々に居場所ができていきました。

 これには時代の流れという追い風もありました。顧客に寄り添ったサービスの再構築へ会社が動くなかで、部外から来て一般の感覚を持った私の知見が役に立ったこと。さらに、組織として女性管理職の育成に取り組んでいるという事情が重なりました。

 就職氷河期と言われた私の世代は大手企業でも新卒採用がなく、会社に30代後半の女性社員がほとんどいません。そのため成果を出すと注目されやすい環境があると感じます。もちろん期待に応えられるようしっかり働き、おかげで発言力を持てるようにもなりました。

本当の意味での多様性のために

 今はどの会社にも子育てしながら働き、仕事と家庭を両立している女性が多くいます。近年は女性の活躍が推進されているため、育児休暇や時短勤務といった利用できる優遇制度がたくさんあります。社会や会社組織からの期待も大きいと思います。
 
 一方で、出産しないとそうした制度の活用は限られます。長時間働ける人が働くのが当たり前になっているようにも思え、同じ女性なのに、男性と一緒に組み体操の一番下で踏ん張っているかのような自分が空しく感じる時があります。

 家庭、仕事、趣味など何を優先するかは人それぞれで、さまざまな働き方や生き方があっていいはずです。本当の意味での多様性が何かを考えていくと、誰もがどんな理由でも働きやすい環境や制度を選択できていいと思うのですが、残念ながら世の中はそうはなっていないように感じています。

まずは女性どうしで認め合えたら!

 家庭と仕事をうまく両立している女性、独身で仕事に励む女性、専業主婦として家事や子育てに全力投球する女性など、どんなライフスタイルの女性も同じようにかっこよく感じられる社会になればいいと思います。社会もメディアももっと幅広く女性の生き方にスポットを当ててほしいです。さまざまな働き方や生き方を選択することが多い女性どうしが、まずお互いのスタイルを認め合い「どの立ち位置でもいいよね」と発信し協力し合えるといいなと思っています。

ニッキィズ一問一答

Q.

今までに買った一番高価なものは何?

A.

「時計。社会人3年目に買いました」

Q.

近頃、衝動買いしてしまったものって何?

A.

「予算オーバーの引っ越しをしました。2年ごとに自分の棚卸しを兼ねて引っ越しをします。今の部屋で7〜8部屋目です。初めて一人で暮らした時に比べて家賃も広さも2倍になり、我ながらよく頑張ってる!と自己満足しています(笑)」

Q.

健康や美容のために心がけていることは?

A.

「35歳を過ぎてから、エステやトレーニングなどにお金をかけるようになりました。服やバッグを買うより、自分の体そのものを磨いておきたいと思っています」

Q.

お金にかえられない元気の源は?

A.

「友人たち。学生時代の友達から前職の元上司まで年齢・性別を問わず、困った時に話を聞いてくれる人がいるというのは幸せです」

Q.

みんなに教えたいおすすめの本を一冊!

A.

「『永遠の途中』唯川恵。結婚して主婦になった女性と、独身でキャリアを積み続ける女性の27歳から60歳までの対照的な人生を、それぞれの視点で繊細に描いた物語です。どちらにも共感でき、考えさせられる部分が多くありました」

取材後記

「子育てにももちろん時間が必要ですが、人生のパートナー探しや妊活、自己研鑽にも時間は必要なんですよ」と笑う中嶋さん。冗談まじりの発言でしたが、本当に誰にでも平等に時間は必要です。仕事に邁進したい人、仕事以外に優先したいものがある人、誰もが力を発揮しながら自分らしく働き・生きるためにはどんな制度があるとよいのか。多様性を認め合う社会をつくるためには、それぞれが目の前にある制度に疑問を持ったり、声を上げたりすることが必要だと感じました。