Nikkey’s ~ここだけのハナシ~
7月

人生って何を優先したらいいんでしょう?

シンクタンク勤務、フリーライター。28歳

水沢理緒 さん

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2つの仕事をかけもちしています

 シンクタンクで非常勤として働きながら、フリーライターをしています。産業・ビジネス系の専門誌で記事を書いています。学生時代からライター業には関心があり、経営学部の卒論を書くためにビジネス系の専門誌の編集長に取材に行きました。

 でも、新卒で就職したのはシンクタンクでした。原稿を書く機会もなく正社員として調査員の仕事をしていましたが、2年ほど経った頃に「うちで記事を書きませんか?」と、卒論時に取材した専門誌の編集部から声をかけてもらいました。「書きたい!」と思って会社に相談。前例はなかったのですが、副業可能な非常勤という立場を認めてもらい、二足のわらじ生活が始まりました。

様々な人の話を聞くことで視野が広がる

 ライターの仕事の醍醐味は、いろいろな人の話が聞けることです。「こういうものの見方があるのか!」と発見がありますし、話を通じて世の中のものの成り立ちがわかります。

 起業した方たちの話を聞いていると、新しいものの始まりには人の想いがあることを感じ、またそうした想いの奮い立たせ方の違いにも驚きます。うつ病を克服して会社を興した方の話には感動しました。取材を通じて自分の視野が広がっていくのが何よりも楽しいです。

 今はビジネス系の雑誌だけですが、幅を広げて他の媒体でも書けるようになりたいです。カルチャー系雑誌も好きで、憧れは『WIRED(ワイヤード)』という雑誌の元編集長の若林恵さんや、写真家で編集者の都築饗一さんです。

どうしたら組織ではなく個人で生きていけるのか

 私の家はサラリーマンの家庭でしたが、祖父母は呉服屋を営んでいて、2人の話を聞くのが好きでした。そのせいか、個人商店やフリーランスというものに抵抗がなく、むしろどうやったら個人として生きていけるのだろうと思いながら過ごしてきました。

 でも、同世代の友人たちにその感覚はあまりないようです。「働き方改革」「副業元年」といった言葉も聞きますが、周囲には一般的な会社勤めの人が多いです。私が正社員を辞めてフリーライターとの副業を選んだことを応援はしてくれますが、この働き方に理解があるかというとそうでもありません。30歳という節目がいよいよ見えてきた私たちの最大の関心は、むしろ結婚や出産です。

子どもが欲しい? 結婚したい?

 先輩女性たちは「出産にはリミットがあるから子どもが欲しいなら早めに生んだ方がいい」と言いますが、まだその切実さはなく、子どもが欲しいのか、そもそも結婚したいのかどうかすら自分でもよくわからない・・・・・・というのが本音です。

 漠然と「後悔はしたくない」とは思うものの、何をしなかったら後悔するのかが、いまひとつわかりません。女性の生き方や働き方の選択肢が増えた分、良くも悪くも迷いも増えた気がします。「人生で何を優先すべきなんだろう? 何気なく過ごすことってダメなの?」と根本的な疑問が浮かび、立ち止まってしまいます。

今、民芸がおもしろい!

 私は料理が好きです。最近は器にも関心が広がり、陶芸家の河井寛次郎や浜田庄司らの作品に注目しています。先日、東京・青山で開催された日本民芸館(東京・目黒)の学芸員と料理研究家の土井善晴さんのトークショーに行ったところ、10代の女子をはじめ若い世代がいっぱいいて驚きました。日常で使う工芸品や生活用品に美しさを見出す「民芸運動」はテレビでも取り上げられることが増えていますし、ブームが来ているんですね。

 料理や器、祖父母から知らず知らずのうちに学んだ着物の世界など、自分の好きな分野でもライターとして記事を書けるようになれたらいいなと思います。いずれは単著を出せるような書き手になりたいです。

ニッキィズ一問一答

Q.

今までに買った一番高価なものは何?

A.

「歯の矯正。社会人になってから処置を受けたので、歯の裏側に矯正具をつけました。不便もありましたがやってよかったです!」

Q.

近頃、衝動買いしてしまったものって何?

A.

「先日ふらりと入ったセレクトショップに飾ってあったブラウスに一目惚れ。日本の若手デザイナーのものと聞き、応援したい気持ちも加わって約4万円の衝動買いをしてしまいました」

Q.

健康や美容のために心がけていることは?

A.

「なるべく野菜を食べること、夜は炭水化物を摂らないこと、甘いものを控えること」

Q.

お金にかえられない元気の源は?

A.

「好奇心が溢れ出る瞬間。あー楽しい!と思うあの感覚はお金にかえられません」

Q.

みんなに教えたいおすすめの本を一冊!

A.

「『虚空遍歴(上・下)』山本周五郎。人がどう生きたかではなく、どう生きようとしたかを描いた名著です」

取材後記

20代後半の女性の心の機微を明かしてくれた水沢さん。迷いながらも自分が理想とする生き方や働き方をたぐり寄せていく、しなやかな強さを感じました。「人生で何を優先するか」はいくつになってもどんな立場になっても迷う難題です。その時の状況で自らジャッジするしかありませんが、その決断が正しかったかどうかの答えは、すぐ出ることもあれば数十年後に出ることもあるから難しいですね。皆さんは今何を一番に優先したいですか?